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DV(家庭内暴力)を理由とした離婚の進め方|証拠収集・保護命令・シェルターの使い方まで解説

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[掲載日]2026/03/18 1 -

DV(家庭内暴力)を受けている場合、「証拠がないと離婚できない」「相手が怖くて動けない」と感じている方は少なくありません。しかし、DV被害者には法的に手厚い保護制度が整備されています。本記事では、DV被害者が安全かつ確実に離婚するための証拠収集・保護命令・シェルターの活用方法から、離婚の進め方まで詳しく解説します。

DVとは?種類と法的定義

DV(ドメスティック・バイオレンス)とは、配偶者や元配偶者など親密な関係にある相手からの暴力行為全般を指します。2001年施行の「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」により法的に定義・規制されています。

身体的暴力だけがDVではありません。以下のすべてがDVとして法的保護の対象です。

📌 DVの種類

  • 身体的暴力:殴る・蹴る・物を投げるなど
  • 精神的暴力:怒鳴る・侮辱する・監視・行動制限
  • 性的暴力:性行為の強要・避妊の拒否
  • 経済的暴力:生活費を渡さない・就労を禁止
  • 子どもを使った暴力:子どもの前での暴力・子どもを使った脅し

DVを理由に離婚できる?法的根拠

結論から言えば、DVは離婚原因として十分に認められます。民法第770条第1項第5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に明確に該当します。また、DVによる離婚は相手の同意がなくても、調停・裁判を通じて実現できます。

✅ DVで認められる法的請求

  • 離婚請求(相手の同意不要)
  • 慰謝料請求(100〜300万円が相場)
  • 財産分与
  • 親権・養育費の取り決め
  • 保護命令の申請

離婚前にやるべき5つの準備

DV被害者が安全に離婚するには、事前準備が非常に重要です。相手に気づかれないよう、慎重に進めましょう。

1

証拠を集める

診断書・録音・写真・日記などDV被害の証拠を確保する。相手に気づかれない場所(クラウド・実家)に保管

2

安全な避難先を確保する

実家・友人宅・シェルターなど緊急時に逃げられる場所を把握。印鑑・通帳・保険証・現金・携帯を持ち出せる準備を

3

経済的な準備をする

自分名義の口座に少しずつ生活費を確保。弁護士費用は法テラスの立替制度(収入が一定以下の方対象)を活用可能

4

支援機関・弁護士に相談する

配偶者暴力相談支援センター・法テラスに相談し、具体的なアドバイスを得る。一人で抱え込まないことが重要

5

子どもの安全を確保する(子どもがいる場合)

面前DVも子どもへのダメージとなる。スクールカウンセラー・児童相談所への相談も検討する

DV被害の証拠収集方法

裁判や調停で有効な証拠を種類別に解説します。証拠は多ければ多いほど有利です。

🏥 医療記録

  • 暴力による怪我の診断書
  • 通院・治療の記録
  • 心療内科・精神科の診断書

📸 写真・録音

  • 傷・壊れた物を日付入りで撮影
  • 暴言・脅しをスマホで録音
  • クラウドにバックアップ必須

📝 記録・メッセージ

  • 被害日時・内容の日記
  • 脅迫・暴言LINEのスクショ
  • 警察への相談・被害届の記録

シェルター・支援機関の活用方法

DV被害者を支援する公的機関・施設を積極的に活用しましょう。

📞 主な相談・支援機関

  • 配偶者暴力相談支援センター:都道府県に設置。相談からシェルター手配まで無料で対応
  • DV相談ナビ(#8008):電話すると最寄りの窓口に転送してくれる
  • 内閣府DV相談+:24時間対応のメール・チャット相談。相手に気づかれにくい
  • 民間シェルター:NPO法人が運営。公的機関で対応困難なケースも受け付け

保護命令とは?種類と申請方法

保護命令とは、裁判所がDV加害者に対して出す命令です。違反した場合は1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられます。

🚫 接近禁止命令

住居・職場・学校などへの接近を禁止。有効期間は6ヶ月

🏠 退去命令

共同住居からの退去を命じる。有効期間は2ヶ月

📵 電話等禁止命令

電話・メール・SNSでの連絡を禁止

👨‍👧 子どもへの接近禁止

未成年の子どもへの接近を禁止

申請は地方裁判所に行います。費用は収入印紙1,000円と郵便切手代程度。弁護士なしでも申立て可能ですが、専門家に依頼するとより確実です。

DVを理由とした離婚の進め方

DV事案では、相手と直接交渉することは危険を伴います。段階的に、かつ安全に進めましょう。

1

弁護士に依頼する

DV事案では弁護士を代理人として立てることが最重要。相手と直接会わずに手続きを進められる。費用は法テラス立替制度も活用可

2

協議離婚(相手が同意する場合)

相手が同意すれば協議離婚が最短。ただしDV加害者は拒否することも多く、弁護士を介した交渉が必須

3

離婚調停

家庭裁判所で調停委員が仲介。別室対応が可能なので相手と顔を合わせずに進められる

4

裁判離婚

調停が不成立なら訴訟へ。証拠が十分あれば裁判所が離婚判決を出す。DV事案は認められやすい傾向

DVの慰謝料相場と財産分与

DV離婚における慰謝料の相場は100万円〜300万円が一般的です。暴力の程度・期間・後遺症・証拠の量によって異なります。深刻なDVで後遺症が残る場合は300万円を超えることもあります。

💰 慰謝料・財産分与のポイント

  • 慰謝料は100万円〜300万円が相場(証拠の充実度で変動)
  • 財産分与はDVがあっても原則2分の1ずつ
  • 慰謝料分を財産分与に上乗せして合意するケースも多い
  • 婚姻費用(別居中の生活費)も忘れずに請求する

子どもがいる場合の対応

DV家庭の子どもは、直接暴力を受けていなくても「面前DV(父母間の暴力を目撃すること)」によって深刻な心理的ダメージを受けることがあります。

👨‍👧 親権について

DV加害者への親権付与は認められにくい。DVの証拠を確保しておくことが親権獲得につながる

🤝 面会交流について

DV加害者との面会は制限・拒否が認められるケースあり。支援機関の立会いなど安全な方法を裁判所に求められる

DV被害の相談窓口一覧

相談窓口 連絡先・特徴
DV相談ナビ #8008(最寄りの相談窓口に転送)
内閣府DV相談+ 24時間対応のメール・チャット相談
配偶者暴力相談支援センター 各都道府県に設置。シェルター紹介も可能
法テラス 0570-078374(弁護士費用の立替制度あり)
警察(生活安全課) 110番(緊急時)または各警察署へ
女性の人権ホットライン 0570-070-810(法務省運営)

よくある質問(FAQ)

Q. 証拠がなくてもDVで離婚できますか?

A. 証拠がなくても主張はできますが、証拠があった方が大幅に有利です。今から日記・録音・医療記録の収集を始めましょう。証拠が少ない場合でも弁護士に相談することで対策が見つかることがあります。

Q. 相手が離婚に同意しない場合はどうなりますか?

A. 調停→裁判の流れで離婚を進められます。DVの証拠が十分にあれば、相手の同意なしに裁判所が離婚判決を出す可能性が高いです。

Q. 子どもを連れて家を出ることはできますか?

A. 緊急の危険がある場合は子どもを連れての避難が優先です。避難後は速やかに弁護士に相談し、家庭裁判所への申立てを行うことが重要です。

Q. 弁護士費用が払えない場合は?

A. 法テラス(日本司法支援センター)の審査基準を満たせば弁護士費用を立て替えてもらえます。収入・資産が一定以下の方が対象で、後払い(分割)も可能です。

📌 まとめ

DV離婚では、被害者の安全確保が最優先です。証拠を集め、支援機関に相談し、弁護士を通じて安全に手続きを進めましょう。「自分だけが我慢すればいい」と思わないでください。あなたには安全な生活を送る権利があります。

  • まずは#8008または内閣府DV相談+に相談
  • 証拠(診断書・録音・日記)を今すぐ集め始める
  • 弁護士に依頼して安全に離婚手続きを進める
  • 費用が心配なら法テラスの立替制度を活用

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