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ストーカー被害と離婚|安全な別居と接近禁止命令の取り方

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[更新日]2026/04/27 54 -

「離婚を切り出した途端、相手が豹変して家の前に立ち続けている」「別居先まで突き止められ、毎日のように電話やSNSメッセージが届く」——配偶者・元配偶者からのストーカー化は、離婚事案で珍しい問題ではありません。元々の関係性を知っているがゆえに、住所・勤務先・子どもの学校・親族の連絡先まで把握されており、被害が深刻化しやすいのが特徴です。本記事では、元配偶者によるストーカー被害の典型例、警察が動くタイミング、ストーカー規制法と接近禁止命令(保護命令)の違い、安全な別居の進め方、デジタル面の自衛まで、被害から命と生活を守るための実務をまとめます。

元配偶者・別居中配偶者のストーカー被害の典型

離婚に関連するストーカー行為は、「未練からの追跡」と「支配欲・報復目的」の二つに大別されます。どちらも危険性は高く、特に後者は重大事件に発展するリスクがあります。

該当しやすい行為

  • つきまとい・待ち伏せ・自宅や職場の周囲をうろつく
  • 無言電話、深夜の電話、執拗なメール・SNSメッセージ
  • 監視している旨を告げる(「今、車に乗ってるの見えてる」等)
  • 名誉を害する事項を告げる、SNSに私生活を晒す
  • 子どもを通じて居場所を聞き出す
  • 共通の知人・親族へ繰り返し連絡し情報を集めようとする

配偶者ならではの危険要素

元配偶者は住所・勤務先・通勤ルート・親族構成を全て知っています。離婚協議や面会交流を口実に正当な接触ルートを保とうとするケースもあり、「別居しても安心」とは言えません。家庭裁判所での話し合いの場で対面することを利用して圧力をかける手口も報告されています。

ストーカー規制法と保護命令の違い

元配偶者からの被害には、主に「ストーカー規制法」と「DV防止法に基づく保護命令」という二つの法的手段があります。それぞれ対象範囲と効果が異なるため、状況に応じて使い分け、必要なら併用します。

制度 主な内容
ストーカー規制法 警察による警告 → 禁止命令。違反で刑事罰の対象
保護命令(DV防止法) 裁判所が接近禁止・退去命令を発令。違反で逮捕・刑事罰
人身保護請求 子の連れ去り等、身柄に関する緊急救済

保護命令で出してもらえる主な内容

  • 本人への接近禁止(6か月)
  • 子・親族への接近禁止
  • 電話・メール・SNS等の連絡禁止
  • 住居からの退去命令(2か月)

ポイント: 保護命令の申立てには「身体的暴力または生命等への脅迫」の要件があり、単なるつきまといだけでは出ない場合があります。その場合はストーカー規制法ルートを優先します。

警察への相談と接近禁止命令の取り方

警察が動くかどうかは、「被害が客観的に分かるか」と「危険の切迫度」の二点にかかっています。一回の電話で「大ごとにしたくない」と言うと相談記録だけで終わるため、最初から「接近禁止命令を取りたい」と明確に伝えるのが有効です。

手続きの流れ

  • STEP1:所轄警察署の生活安全課に相談予約
  • STEP2:被害状況をまとめた時系列メモと証拠を持参
  • STEP3:警察が加害者に「警告」を発する
  • STEP4:警告に従わない場合「禁止命令」へ進む
  • STEP5:違反した場合は逮捕・送検

家庭裁判所への保護命令申立て

DVに該当する暴力・脅迫がある場合は、地方裁判所への保護命令申立てが可能です。申立書、陳述書、警察への相談記録、診断書、メッセージのスクショ等を添付し、原則1週間程度で決定が出ます。費用は申立手数料1,000円+郵券。法テラス利用で代理人費用の立替も可能です。

安全な別居とデジタル面の自衛

物理的な距離だけでなく、デジタルでの位置情報漏えいを断つことが極めて重要です。スマホ一台で家族に居場所を伝えてしまっているケースが非常に多いからです。

別居前にやっておくこと

  • 住民票・戸籍附票の閲覧制限(DV等支援措置)申請
  • スマホのファミリー共有・位置情報共有を解除
  • iCloud・Googleアカウントのパスワード変更と連携端末の確認
  • SNSの位置情報・写真の背景・チェックインを停止
  • クレジットカード・銀行の連絡先・パスワード変更
  • 子どもの学校・保育園にDV被害を共有し緊急連絡網を整備

調停・面会交流時の安全確保

家庭裁判所では別室調停・別時間入退室・支援員同席など、加害者と顔を合わせない工夫が可能です。面会交流は第三者機関(FPIC等)の付き添い型・受渡し型に切り替えることで、子どもを介した接触を遮断できます。事前に弁護士・調査官へ「ストーカー被害がある」ことを必ず共有しましょう。

日々の被害記録と通報のコツ

警察・裁判所が動くかどうかは「客観的記録の量と質」で大きく変わります。被害の最中は混乱しがちですが、後で振り返れる形でメモを残す習慣をつけてください。

記録のフォーマット

  • 日時(発生時刻と継続時間)
  • 場所(自宅前・職場周辺・SNS等)
  • 具体的な行為(電話何件、滞在時間、発言内容)
  • その時の自分の状態(恐怖の度合い、目撃者の有無)
  • 関連する物的証拠の保存先

エクセルやスプレッドシートに一行ずつ蓄積していく形が便利です。SNSメッセージや留守電は保存期間が限られるので、早めに別媒体へバックアップしましょう。

110番と#9110の使い分け

緊急で身の危険を感じる場面では迷わず110番してください。一方、相談ベースの段階では警察相談専用電話「#9110」が使えます。所轄の生活安全課へつないでもらえ、対面相談の予約も取れます。「相談履歴がついている」状態を作っておくと、後の保護命令申立てや禁止命令申請で大きく役立ちます。

よくある質問(FAQ)

Q. 別居中の配偶者にもストーカー規制法は適用されますか

A. はい、適用されます。ストーカー規制法は配偶者・元配偶者を排除しておらず、要件(恋愛感情等に起因するつきまとい)に該当すれば対象になります。離婚協議中・別居中・離婚後を問わず、繰り返しの待ち伏せやメッセージ送付があれば警察に相談する価値があります。

Q. 「子どもに会わせろ」と毎日連絡が来ます。これもストーカーになりますか

A. 単発で面会交流を求める連絡は通常該当しませんが、深夜の連投、無視されても繰り返す、脅迫的な文言が混じる場合は規制対象になり得ます。面会交流の手続きは家庭裁判所に集約し、直接連絡は受け付けない旨を弁護士経由で通告するのが有効です。

Q. 保護命令が出れば本当に近づいてきませんか

A. 多くのケースでは抑止力として機能しますが、命令違反による逮捕事例もあります。「命令が出れば100%安全」と過信せず、防犯ブザー・スマートロック・近隣警察との連携・支援措置を併用してください。命令違反を見つけた場合は躊躇せず110番してください。

Q. 弁護士費用が払えません

A. 法テラス(日本司法支援センター)の民事法律扶助で、保護命令申立ての代理人費用を立替えてもらえます。収入要件はありますが、DV被害者は要件が緩和されるケースがあります。また、自治体によってはDV被害者向けの弁護士相談を無料で実施しています。

執筆

離婚ポータル事務局

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