離婚時の年金分割とは|合意分割・3号分割の違いと手続き・いくらもらえるか解説
[掲載日]2026/03/25 1 -
この記事では、離婚時の年金分割(合意分割・3号分割)の仕組み・手続き・いくらもらえるかをわかりやすく解説します。熟年離婚を検討している方や、年金への影響が心配な方は必読です。
年金分割とは?基本をわかりやすく解説
年金分割とは、婚姻期間中に支払った厚生年金(社会保険)の保険料納付記録を、離婚時に夫婦で分割する制度です。2007年4月に施行され、特に専業主婦(主夫)や収入が少ない配偶者の老後の生活を守るために設けられました。
📌 年金分割のポイント
- 分割されるのは厚生年金(会社員・公務員の保険料記録)のみ
- 国民年金(基礎年金)は分割されない
- 分割後は自分が将来受け取れる年金額が増える(相手の年金額は減る)
- 現金での支払いではなく「将来の年金受給記録」を分ける制度
合意分割と3号分割の違い
年金分割には「合意分割」「3号分割」の2種類があり、状況によって使い分けます。
| 種類 | 合意分割 | 3号分割 |
|---|---|---|
| 対象期間 | 婚姻期間全体(2007年以前も含む) | 2008年4月以降の婚姻期間のみ |
| 必要な合意 | 双方の合意が必要(合意できない場合は調停・審判) | 相手の合意不要。単独で請求できる |
| 対象者 | どちらの配偶者も請求可能 | 第3号被保険者(専業主婦など)のみ |
| 按分割合 | 双方の合意(最大50%) | 自動的に50%(選択不要) |
3号被保険者とは?
第3号被保険者とは、会社員・公務員(第2号被保険者)に扶養されている配偶者のことです。専業主婦・専業主夫や、収入が扶養の範囲内のパート配偶者が該当します。3号分割はこの立場の方が相手の同意なしに50%の分割を請求できる強力な制度です。
年金分割でいくら増える?計算の目安
年金分割による増加額は婚姻期間・相手の収入・按分割合によって大きく異なります。日本年金機構の「ねんきんネット」や「年金事務所」で試算ができます。
📊 年金分割の目安(例)
- 婚姻期間20年・相手の平均年収500万円 → 月2〜3万円程度増加の目安
- 婚姻期間30年・相手の平均年収600万円 → 月4〜6万円程度増加の目安
- 実際の金額は年金事務所で「情報提供通知書」を請求して確認できる
※上記はあくまで目安です。正確な金額は年金事務所にご相談ください。
年金分割の手続き・申請方法
📋 合意分割の手続き
- ① 年金事務所で「情報提供通知書」を請求(按分割合の確認のため)
- ② 按分割合について夫婦で合意(合意できない場合は調停・審判)
- ③ 公正証書または合意書を作成
- ④ 年金事務所に年金分割の請求を行う(合意書の提出が必要)
📋 3号分割の手続き(専業主婦向け)
- ① 最寄りの年金事務所に申請書を提出するだけ(相手の合意・署名不要)
- ② 必要書類:年金手帳・離婚届受理証明書・戸籍謄本など
- ③ 申請は離婚後2年以内に行うこと(時効あり!)
⚠️ 重要:年金分割の請求期限は離婚後2年以内
年金分割の請求は離婚成立の翌日から2年以内に行わなければなりません。期限を過ぎると請求できなくなるため、離婚後は速やかに手続きを進めましょう。
年金分割の注意点
- 年金分割を受けても受取は65歳(繰上げ・繰下げにより変動)から。今すぐもらえるわけではない
- 分割を受けた側の年金が増える分、相手の年金は減る
- 年金分割は老齢厚生年金の記録の分割であり、遺族年金・障害年金は対象外
- 自営業者(国民年金のみ)が相手の場合は厚生年金の記録がないため分割できない
よくある質問(Q&A)
Q. 離婚協議書に年金分割の記載を忘れました。後から請求できますか?
A. 離婚後2年以内であれば、離婚協議書に記載がなくても年金事務所に直接請求できます。3号分割の場合は相手の同意不要で請求可能です。
Q. 夫が自営業です。年金分割できますか?
A. 自営業者は国民年金のみであるため、分割できる厚生年金記録がありません。ただし、過去に会社員だった期間がある場合はその期間分のみ分割対象になります。
Q. 年金分割の按分割合で揉めています。どうすれば?
A. 合意できない場合は家庭裁判所に調停・審判を申し立てることができます。裁判所は通常、上限の50%を按分割合として認めることが多いです。弁護士に依頼するとスムーズです。
📌 まとめ
年金分割は離婚後の老後の生活を守る大切な制度です。忘れずに手続きを。
- 合意分割:双方合意が必要。2007年以前の婚姻期間も対象
- 3号分割:専業主婦は相手の同意なしに50%の分割を請求できる
- 請求は離婚後2年以内。期限を絶対に忘れずに
- 金額は年金事務所の「情報提供通知書」で事前確認できる
- 手続きが不安な場合は弁護士・社会保険労務士に相談を

