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婚姻費用の分担請求とは|別居中の生活費を請求する方法・算定表・調停手続きを解説

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[更新日]2026/04/27 54 -

別居が始まると、生活費の不安が一気に押し寄せます。「家を出てしまったけれど、生活費はもらえるのか」「相手が払ってくれない場合、どこに相談すれば良いのか」——婚姻費用は、まさにこうした別居中の生活費を支えるための制度です。離婚が成立するまでの間、収入の多い側は少ない側に対して生活費を分担する義務があります。本記事では、婚姻費用の法的根拠、算定表の読み方、調停の進め方、不払い時の強制執行、有責配偶者からの請求といった実務上重要なポイントを、具体的な手続きと数字を交えて整理します。

婚姻費用とは何か——民法760条の根拠

婚姻費用とは、夫婦と未成熟子が通常の生活を送るために必要な費用のことです。食費・住居費・光熱費・教育費・医療費などが含まれます。民法760条は「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と定めており、別居中であっても婚姻が継続している以上、この分担義務は消滅しません。

養育費との違い

婚姻費用は配偶者と子の生活費を含む包括的な金額、養育費は離婚後に子のためだけに支払われる金額です。一般に婚姻費用の方が養育費より高くなります。離婚成立と同時に婚姻費用の請求権は消滅し、以後は養育費に切り替わります。

いつから請求できるか

実務上、請求の意思を明確に示した時点(内容証明や調停申立て時)から発生分が認められるのが一般的です。「過去にさかのぼって何年分も請求」は原則できないため、別居したらできるだけ早く請求の意思表示をしておくことが重要です。

婚姻費用算定表の読み方と年収別の目安

家庭裁判所が公表している「婚姻費用算定表」は、双方の年収・子の人数・年齢区分から目安額を導く早見表です。給与所得者と自営業者で表が分かれており、源泉徴収票の支払金額または確定申告書の所得金額をベースに計算します。

夫の年収(給与) 妻の年収 子1人(0〜14歳)の目安
400万円 0円 月8〜10万円
600万円 0円 月12〜14万円
800万円 100万円 月14〜16万円
1000万円 200万円 月16〜18万円

上記はあくまで目安で、住宅ローンを義務者が支払い続けながら別居している場合や、私立学校・大学進学費用など特別な事情がある場合は調整が入ります。

調停・審判の流れと実務のコツ

話し合いで決まらない場合、家庭裁判所に「婚姻費用分担調停」を申し立てます。申立先は相手方の住所地を管轄する家庭裁判所です。費用は収入印紙1200円と郵券。第1回期日は申立てから1〜2か月後に設定されることが多く、調停委員を介して双方が交互に話し合いを行います。

必要な書類

  • 申立書(裁判所HPからダウンロード可)
  • 夫婦の戸籍謄本
  • 申立人の収入資料(源泉徴収票・課税証明書)
  • 子がいる場合は住民票

調停不成立なら審判へ自動移行

婚姻費用は審判事項のため、調停がまとまらなくても自動的に審判手続きに移り、裁判官が金額を決定します。離婚調停と異なり「決まらないまま放置」にはならない点が安心材料です。

ポイント: 調停申立日が起算点になりやすいため、別居後すぐに動くほど受け取れる総額は増えます。話し合いが進まないと感じたら、早めの調停申立てが結果的に最も合理的な選択です。

不払い時の強制執行と有責配偶者の請求

調停調書・審判書・公正証書など強制執行できる書面があれば、相手が支払わない場合に給与差押えや預貯金差押えが可能です。給与差押えでは原則として給与の2分の1まで差し押さえることができ、養育費等の場合は退職するまで継続的に効力が及びます。

有責配偶者からの請求は制限される

不貞や悪意の遺棄をした側が家を出て婚姻費用を請求するケースでは、信義則上、子の養育費相当額に減縮されることがあります。ただし、子の生活費部分まで否定されることは原則ありません。逆に、相手の有責性を疑う場合でも、こちらが有責性を立証できないうちは満額請求への抵抗手段にはなりにくい点にも注意が必要です。

差押え可能な財産の優先順位

強制執行は給与差押えが最も実効性が高い手段です。給与の差押えには勤務先情報が必要なため、結婚中に把握しておくことが重要になります。給与が把握できない場合は、預貯金口座を金融機関ごとに差し押さえる方法もありますが、残高がなければ空振りに終わるリスクがあります。さらに、不動産・自動車・生命保険の解約返戻金なども理論上は対象になります。

婚姻費用を有利に進めるための実務ポイント

同じ算定表ベースの請求でも、準備と動き方次第で実際に受け取れる金額・スピードに大きな差が出ます。最後に、生活費を確実に確保するためのコツを整理します。

別居後すぐに内容証明を送る

別居直後に「婚姻費用の支払いを求める」内容証明郵便を送付しておくと、起算点が明確になります。後の調停・審判で過去分の認定を受ける際の証拠としても機能するため、別居から1か月以内には送付するのが望ましいです。

公正証書または調停調書で必ず形に残す

口約束やLINEのやり取りでは強制執行ができません。執行認諾文言付きの公正証書、または調停調書・審判書など、強制執行可能な書面を必ず作成しましょう。月額・支払日・振込先・遅延損害金まで明記しておくと、後のトラブルを防げます。

事情変更による増減額請求も可能

合意・審判後に大幅な収入変化や子の進学費用の増加など、事情が変わった場合は、増額または減額の調停を申し立てられます。コロナ禍の収入変動や転職に伴う給与減少のように、想定外の経済事情が生じた場合に活用できる仕組みです。

よくある質問(FAQ)

Q. 別居前にもらっていなかった分も後から請求できますか?

A. 過去分の請求は厳しく制限される傾向です。実務上は請求の意思表示(内容証明や調停申立て)をした月以降が認められることが多く、それより前にさかのぼっての支払いは難しいケースが大半です。別居開始後すぐの行動が重要です。

Q. 自分が家を出た側でも請求できますか?

A. 請求自体は可能です。ただし、不貞など有責性が認められる場合は減額・否定されることがあります。逆に、DVや経済的虐待から避難した場合は減額されることはなく、満額が認められるのが一般的です。

Q. 算定表より高い金額にできますか?

A. 私立学校の学費、習い事、特別な医療費など、事情を立証できれば加算が認められます。逆に、住宅ローンを義務者が払い続けて別居先の家賃も負担している場合などは減額調整されることもあります。

Q. 調停にかかる期間はどのくらいですか?

A. 一般的に3〜6か月、長引くと1年近くかかることもあります。ただし、暫定的な金額で合意できれば、調停期日の途中からでも支払いを受け始められます。最終決着を待たずに当面の生活費を確保することが可能です。

Q. 相手の年収が分からない場合はどうすれば良いですか?

A. 調停手続の中で、裁判所から相手に源泉徴収票・課税証明書の提出を求めてもらえます。相手が応じない場合は、裁判所が市区町村役所に対して調査嘱託を行い、課税情報を取得することも可能です。相手が頑なに開示しなくても算定の根拠は得られます。

Q. 婚姻費用と養育費はどちらを先に決めるべきですか?

A. 別居中はまず婚姻費用を確保し、離婚成立に合わせて養育費に切り替えるのが基本の流れです。離婚協議が長引く間も婚姻費用で生活を支えられるため、別居後は速やかに婚姻費用調停を申し立てておくと安心です。

📌 まとめ

婚姻費用は別居したらすぐに請求することが重要です。遅れると受け取れる金額が減ってしまいます。

  • 婚姻費用は別居中でも収入の多い側が少ない側に支払う義務がある
  • 金額は裁判所の算定表をもとに決まる(月4〜14万円程度が目安)
  • 話し合いで決まらない場合は「婚姻費用分担請求調停」を申立て
  • 調停申立て月から請求できるため、別居開始後すぐに動くことが大切
  • 不払いの場合は給与・預貯金の強制執行も可能

執筆・監修

離婚ポータル事務局

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