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団体信用生命保険(団信)と離婚時の住宅ローン特約の取り扱い

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[掲載日]2026/05/06 2 -

住宅ローンを組む際に加入する団体信用生命保険(団信)は、離婚で住宅の扱いが変わるときに意外な落とし穴になります。団信は債務者に紐づく保険のため、債務者を変更すれば団信も組み直し、名義を残したまま住み続けるなら解約の選択肢もあるなど、離婚時の判断はケースごとに異なります。本記事では団信の仕組みから離婚時の取り扱い、ペアローンのリスク、フラット35との違いまで実務的に解説します。

団体信用生命保険(団信)の基本構造

団信は、住宅ローン債務者(被保険者)が死亡または高度障害状態になった場合、保険金によって残債が全額完済される仕組みの生命保険です。契約者は金融機関、被保険者はローン債務者、保険金受取人は金融機関となり、債務者自身が保険金を受け取るわけではありません。民間金融機関の住宅ローンではほぼ全件で加入が義務付けられており、保険料はローン金利に組み込まれて請求されるケースが一般的です。

近年は「がん団信」「三大疾病保障付団信」「全疾病保障」など特約付き団信も普及しており、所定の疾病と診断された時点で残債が0円になる商品もあります。ただし特約付き団信は金利に0.1〜0.3%程度が上乗せされるため、残債が数千万円あるケースでは総返済額への影響が小さくありません。離婚で住宅をどう扱うかを決める際、団信の種類と残存保障期間、特約の有無を最初に確認することが出発点になります。

団信には告知義務があり、持病がある場合はワイド団信(引受基準緩和型)でなければ加入できないこともあります。離婚後に新たにローンを組み直す場合、加齢や健康状態の変化で団信に加入できず借換え自体が頓挫することもあるため、既存ローンの団信を継続できないかを先に検討する必要があります。

離婚時に団信を「解約」するか「継続」するかの判断軸

離婚で住宅に住み続ける側、出ていく側、売却する側で団信の扱いは変わります。最も単純なのは自宅売却でローンを完済するケースで、この場合ローン契約自体が終了するため団信も自動的に消滅します。問題は、債務者の名義を変えずに住み続ける、あるいは名義人が変わって残る、という中間的なケースです。

債務者を変更しない場合、団信も変更せず継続されます。例えば夫名義で借りた住宅に妻子が住み続け、夫が引き続きローンを返済する形態では、夫の死亡・高度障害で残債が0円になり、妻子がローン負担なく住宅を所有できます。ただしこれは財産分与の時点で「将来団信で完済される可能性」を前提にできないため、慰謝料や養育費の支払い原資として当てにできない点に注意が必要です。

一方で債務者を夫から妻に変更したい場合、金融機関の審査を経て新たにローンを組み直すことになり、その際に妻が新たに団信加入を求められます。年齢や健康状態によっては加入できず、借換え自体が成立しないリスクがあります。

解約タイミングと返戻金

団信は掛け捨て型が基本で、解約しても原則として返戻金はありません。保険料がローン金利に組み込まれている一般団信では、ローン残高の減少に応じて実質保険料も逓減するため、解約により未経過分が返金される性質のものではない点を理解しておきましょう。

債務者変更(免責的債務引受)の実務と団信

離婚時に住宅を取得する側が単独で返済を引き継ぎたい場合、金融機関に「免責的債務引受」を申し入れる方法があります。免責的債務引受とは、従来の債務者を債務から離脱させ、新債務者に一本化する手続きで、金融機関の承諾が必須です。実務上は、引き受ける側に安定した収入・勤続年数・信用情報のクリーンさが求められ、単独での返済能力がなければ承認されません。

免責的債務引受が承認された場合、既存ローンを実質的に巻き直すことになり、新債務者が新たに団信へ加入し直すのが一般的です。このとき健康状態の告知が求められるため、持病や既往症があると加入を拒否される場合があります。団信に加入できなければ金融機関の条件を満たせず、結局は借換えや売却を検討せざるを得ないケースも少なくありません。

実務的には、免責的債務引受ではなく、住宅を取得する側が別の金融機関で借換えを行い、従来のローンを一括返済する方法のほうがスムーズに進むこともあります。借換えであれば新規ローンとして審査されるため、金融機関ごとに団信の基準や特約内容を比較でき、自分に合った保障設計を選びやすくなります。

ペアローン・連帯債務型ローンと団信の離婚リスク

夫婦で住宅ローンを組む形態にはペアローン(夫婦それぞれが別個に契約)、連帯債務型(1本のローンを2人で連帯して負担)、連帯保証型(1人が債務者・1人が保証人)があります。このうち団信の観点で特にリスクが高いのがペアローンです。

ペアローンでは夫婦がそれぞれ団信に加入しますが、離婚しても両者のローン契約と団信は継続するため、離婚後に一方が亡くなってもそちらの残債しか0円になりません。もう一方のローン返済義務は残り、「元配偶者の住宅のために自分だけ返済が続く」という状況が発生し得ます。さらに自宅を売却する際も両者の同意と抵当権抹消が必要となり、協議が難航しやすい構造です。

ローン形態 団信加入者 離婚時の主なリスク
単独名義 債務者本人のみ 名義変更時に借換え審査で団信再加入が必要
連帯保証型 主債務者のみ 保証人から外れる手続きが金融機関の裁量
連帯債務型 主債務者のみ(商品による) 副債務者の離脱に借換え相当の手続き
ペアローン 夫婦それぞれ 離婚後も両者の返済・団信が並行継続

ペアローンを解消するには、一方が他方のローン残債をまとめて借換える(単独名義化)、または売却して両方のローンを完済する方法が基本となります。借換え時には単独で全額を借りられる信用力と、新規の団信加入が条件となるため、早めに金融機関へ相談することが重要です。

フラット35の団信は任意加入という特殊性

住宅金融支援機構の長期固定金利ローン「フラット35」では、団信加入が任意とされており、加入しないことも選択可能です。2017年10月以降、フラット35では団信保険料が金利に組み込まれる形式(新機構団信)に変更されましたが、健康上の理由などで団信に加入しない場合は金利がマイナス0.2%程度引き下げられる扱いとなっています。

離婚時にフラット35を利用している夫婦では、そもそも団信未加入のケースがあり得ます。この場合、債務者が亡くなっても残債は免除されないため、相続人(元配偶者との間の子など)にローン返済義務が引き継がれる可能性があります。慰謝料や養育費の計算において、住宅ローンを将来的に相手方が負担し続ける前提で取り決める場合、団信の有無は致命的に重要な情報となります。

フラット35で団信未加入のままローンを継続するなら、民間の生命保険(収入保障保険や定期保険)を別途契約してカバーする方法もあります。離婚協議の中で「住宅ローン相当額の生命保険を維持し、受取人を子にする」といった条項を盛り込むことで、万一のときに養育費代替としての機能を持たせる設計も可能です。

離婚協議書に盛り込むべき団信関連の条項

離婚協議書や公正証書には、住宅ローンの返済方法とともに団信の扱いを明記することで、将来の紛争を予防できます。具体的には、「甲(返済を継続する側)は団信を維持し、解約・変更する場合は事前に乙に書面で通知する」「甲が団信の健康状態告知義務に違反して保険金支払いが拒否された場合の責任分担」などを定めておくと、後々のトラブル回避につながります。

また、ローン返済中に甲が亡くなって団信で残債が完済された場合、その住宅は原則として甲の相続財産となり、甲の相続人(再婚相手や他の子など)に相続されます。元配偶者との間の子に確実に住宅を残したいなら、遺言書を作成しておく、あるいは住宅の所有名義を早期に子や元配偶者に移しておく等の対策が必要です。

  • 団信の種類と特約(がん・三大疾病等)の記録を残す
  • 返済継続者が亡くなった場合の住宅の帰属を遺言で指定する
  • 団信未加入の場合は代替生命保険の契約・維持を義務化する
  • 健康診断・告知義務違反を避けるよう相手方に情報開示義務を課す

団信は表面的にはローン契約の付随物に見えますが、実際には住宅・相続・養育費までを貫く重要な保険です。離婚時には金融機関・保険会社・弁護士の三者に相談しながら、自分と子の将来を守る設計に組み直すことをおすすめします。

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執筆・監修

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