ひとり親が受けられる公的支援・手当完全まとめ【2024年最新版】
[更新日]2026/04/18 45 -
離婚後のひとり親家庭には、国や自治体からさまざまな支援制度が用意されています。しかし申請しなければ受けられない制度がほとんどです。この記事では、ひとり親家庭が利用できる給付金・手当・減免制度を分かりやすくまとめました。
児童扶養手当:ひとり親家庭の基本的な支援
児童扶養手当は18歳未満の子どもを養育するひとり親家庭に支給される手当です(障害がある場合は20歳未満)。支給額(2024年度):全部支給の場合、子ども1人で月額44,140円。一部支給の場合は所得に応じて段階的に減額されます。
申請先:お住まいの市区町村の福祉担当窓口。必要書類:戸籍謄本・所得証明書・住民票など。離婚が成立したら速やかに申請しましょう(認定日からの支給となります)。
ひとり親医療費助成制度(マル親医療)
多くの都道府県・市区町村では、ひとり親家庭の親と子どもの医療費を助成しています。所得制限あり(自治体により異なる)。助成内容:医療機関での自己負担額が0〜一定額に抑えられます。
申請先:市区町村の窓口。受給者証が発行され、医療機関に提示することで助成を受けられます。住民税非課税世帯は自己負担ゼロになる自治体も多いです。
就学援助・教育費の支援制度
経済的に困難なひとり親家庭の子どもには就学援助があります。対象費目:給食費・修学旅行費・学用品費・学校給食費・学校医療費など。申請:子どもが通う学校または教育委員会に申請します。
また高校生には高等学校等就学支援金(授業料の無償化)、大学進学時には給付型奨学金(日本学生支援機構)があります。所得要件がありますが積極的に活用してください。
その他の支援制度一覧
①住宅確保給付金:家賃相当を最長9ヵ月支給(求職中の方向け)②母子父子福祉資金貸付金:低利または無利子での貸付③ひとり親家庭等日常生活支援事業:家事・育児のヘルパー派遣④保育所の優先入園:ひとり親家庭は保育所入所で優先度が高く設定されている自治体が多い⑤NHK受信料の免除:住民税非課税世帯は全額免除。
これらは自治体により内容が異なります。市区町村の「ひとり親相談窓口」でまとめて確認できます。
児童扶養手当の詳細ガイド
児童扶養手当とは
児童扶養手当は、父母の離婚や死別などによりひとり親家庭となった子どもの生活の安定と自立を支援するために国が支給する手当です。支給対象は、18歳到達後最初の3月31日までの子ども(障害がある場合は20歳未満)を監護・養育しているひとり親(主に母子家庭・父子家庭)です。
支給額(2024年度額)
支給額は子どもの人数と請求者の所得に応じて変動します。所得が低いほど全部支給となり、一定額を超えると一部支給となります。
| 子どもの数 | 全部支給(月額) | 一部支給(月額) |
|---|---|---|
| 1人目 | 45,500円 | 10,740円〜45,490円 |
| 2人目加算 | 10,750円 | 5,380円〜10,740円 |
| 3人目以降(1人あたり) | 6,450円 | 3,230円〜6,440円 |
※金額は毎年物価スライドにより改定されます。最新額は住所地の市区町村窓口または厚生労働省のウェブサイトでご確認ください。
所得制限の目安
全部支給を受けるためには、請求者(受給者)の前年の所得が一定の限度額以下である必要があります。扶養親族の数によって限度額が異なります。
| 扶養親族の数 | 全部支給(所得限度額) | 一部支給(所得限度額) |
|---|---|---|
| 0人 | 490,000円未満 | 1,920,000円未満 |
| 1人 | 870,000円未満 | 2,300,000円未満 |
| 2人 | 1,250,000円未満 | 2,680,000円未満 |
| 3人 | 1,630,000円未満 | 3,060,000円未満 |
※ここでいう「所得」は給与収入から給与所得控除等を差し引いた金額です。養育費を受け取っている場合はその8割が所得に加算されます。
申請方法と必要書類
申請は住所地の市区町村窓口(福祉課・子育て支援課等)で行います。申請が遅れると受給開始が遅れるため、離婚成立後はできるだけ早く手続きを行いましょう。
- 請求者・子どもの戸籍謄本(発行から1ヵ月以内のもの)
- 請求者の住民票(世帯全員分)
- 請求者の前年分の所得証明書または源泉徴収票
- 銀行口座の通帳またはキャッシュカード
- 請求者のマイナンバーが確認できる書類
- 離婚が原因の場合:離婚届受理証明書または離婚が記載された戸籍謄本
申請上の注意点
- 受給開始月:申請月の翌月分から支給が始まります。遡及して受給することは原則できません。
- 現況届:毎年8月に現況届の提出が義務づけられており、提出を怠ると支給が停止されます。
- 同居の制限:受給者が事実婚状態にある場合や、受給者の父母・祖父母と同居している場合は受給できないケースがあります。
- 養育費の申告:元配偶者から養育費を受け取っている場合は、その旨を申告する必要があります。
児童手当との違いと併給について
児童扶養手当と児童手当は別制度であり、要件を満たせば両方を受け取ることができます。ただし、それぞれ申請先や支給時期が異なります。
| 項目 | 児童扶養手当 | 児童手当 |
|---|---|---|
| 対象 | ひとり親家庭 | すべての子育て家庭 |
| 支給額(月額・1人目目安) | 最大45,500円 | 0〜2歳:15,000円、3歳〜中学生:10,000円 |
| 所得制限 | あり(収入が増えると減額) | 2024年度改正により所得制限撤廃 |
| 支給対象年齢 | 18歳年度末まで(障害は20歳未満) | 中学校修了まで(15歳年度末) |
| 申請窓口 | 市区町村(福祉担当課) | 市区町村(子育て担当課) |
両手当は同時に受給することができます。離婚後は忘れずに両方の申請を行うようにしましょう。
医療費助成制度(ひとり親家庭等医療費助成)
多くの都道府県・市区町村では、ひとり親家庭を対象とした医療費の自己負担を軽減する助成制度を設けています。名称や内容は自治体によって異なりますが(「マル親医療」「ひとり親家庭医療費助成」など)、一般的には保険診療の自己負担分(通常3割)の全部または一部を助成します。
- 対象者:児童扶養手当の受給者またはそれに準じるひとり親家庭の親と子ども
- 対象年齢:子どもは18歳年度末まで(自治体によっては20歳未満まで)
- 手続き:住所地の市区町村窓口で「医療証」の交付申請を行い、医療機関受診時に健康保険証と併せて提示する
- 注意点:住所変更の際は新しい自治体で改めて申請が必要。所得が一定額を超えると対象外となる場合がある
この制度は児童扶養手当の申請と同時に案内を受けることが多いため、窓口で合わせて確認することをお勧めします。
住宅支援:公営住宅の優先入居と家賃補助
公営住宅への優先入居
国や都道府県・市区町村が管理する公営住宅(都営住宅・県営住宅・市営住宅など)では、ひとり親家庭を「裁量階層」として一般の入居者よりも高い当選確率が設定されているケースが多くあります。通常の一般募集よりも当選しやすい仕組みになっているため、住居の確保に困っている場合は積極的に応募を検討しましょう。
- 各自治体の住宅担当部署または住宅供給公社に問い合わせる
- 子どもの年齢や人数、収入状況によって入居要件が異なる
- 抽選の頻度は年数回であることが多く、タイミングを逃さないよう注意が必要
家賃補助制度
自治体によっては、民間賃貸住宅に居住するひとり親家庭に対して家賃の一部を補助する制度があります。補助額は月額数千円〜数万円と自治体差が大きいため、居住地の福祉課や子育て支援課に問い合わせることが重要です。また、生活が困窮している場合は「住居確保給付金」(最長12ヵ月)の活用も検討してください。
就労支援制度
ひとり親家庭高等職業訓練促進給付金
看護師・介護福祉士・保育士・歯科衛生士などの資格取得を目指してひとり親が養成機関に通う場合に、修業期間中の生活費の一部として給付金が支給される制度です。
- 支給額:住民税非課税世帯は月額100,000円、住民税課税世帯は月額70,500円(上限あり)
- 支給期間:修業期間全体(上限あり・最長4年)
- 修了後:修了後に50,000円(住民税非課税世帯は25,000円)の給付金が追加支給される
- 申請窓口:住所地の市区町村(福祉課・子育て支援課)
自立支援教育訓練給付金
ひとり親が雇用保険の「教育訓練給付」の対象となる講座(介護職員初任者研修、簿記検定講座など)を受講した場合に、受講費用の一部が支給される制度です。
- 支給額:受講費用の60%(上限は受講費用や講座種別によって異なる)
- 申請条件:雇用保険の教育訓練給付の受給資格がない場合も対象となる(要事前相談)
- 申請タイミング:受講開始前に事前相談が必要。受講後に申請する
- 申請窓口:住所地の市区町村(福祉課・子育て支援課)
よくある質問
Q. 自分の所得が制限内かどうか、事前に確認する方法はありますか?
A. 事前確認には、前年分の「源泉徴収票」または「確定申告書の控え」が目安になります。給与収入から給与所得控除を差し引いた「給与所得」の金額と、扶養親族の数を市区町村の窓口に伝えると、担当者が試算してくれます。また、厚生労働省のウェブサイトや各自治体のウェブサイトに試算ツールが掲載されている場合もあります。確実な判断は窓口への相談が最も確実です。なお、養育費を受け取っている場合はその8割が所得に加算されることを忘れないようにしてください。
Q. 申請できる支援制度が多くて、どこから手をつければよいかわかりません。優先順位はありますか?
A. 離婚成立直後にまず優先すべきは、①児童扶養手当(申請が遅れるほど受給開始が遅くなるため)、②児童手当(月額1万円以上の場合もあるため早期申請を)、③ひとり親家庭等医療費助成(医療証の取得)の3つです。これらは同じ市区町村窓口で一度に手続きできることが多く、効率的です。住宅や就労に関する支援は生活状況を踏まえたうえで次のステップとして検討してください。「ひとり親サポートセンター」や「母子家庭等就業・自立支援センター」に相談すると、自分の状況に合った支援を一括してコーディネートしてもらえます。
執筆
離婚ポータル事務局
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