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NISA口座を勝手に作られていた|離婚時の財産分与と対処方法

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[掲載日]2026/07/21 1 -

「離婚の財産整理を進めていたら、自分名義のNISA口座が知らないうちに開設され、配偶者が勝手に運用していた」——こうした相談が近年増えています。新NISAの普及で口座開設のハードルが下がった一方、家族の名義を使った無断の資産形成や、配偶者本人だけが把握している秘密の運用が、離婚の場面で表面化するケースが目立ちます。本記事では、無断で作られたNISA口座の問題点と、財産分与での扱い、確認・対処の方法を2026年版として解説します。

なぜ無断のNISA口座が作られるのか

新NISAは2024年に制度が拡充され、非課税で長期運用できる枠が大きく広がりました。手続きがオンラインで完結する証券会社も多く、本人確認さえ通れば短時間で口座が開けます。

この手軽さが、配偶者による無断開設の温床になっています。同じ世帯でマイナンバーや本人確認書類を管理していると、片方が他方の名義で口座を作ることが物理的に可能になってしまうのです。

主なパターン

無断のNISA口座には、いくつかの典型的な形があります。動機は節税であったり、財産を見えにくくすることであったりと様々です。

  • 非課税枠を二人分使いたくて、配偶者名義でも口座を開設して運用していた
  • 自分名義の資産を増やしたくない事情があり、配偶者名義に資産を寄せていた
  • 配偶者に内緒で、自分名義のNISAで秘密裏に資産を積み上げていた
  • 家計の余剰資金を、相手に知らせず投資に回していた

名義と実質的な帰属は別の問題

離婚の財産分与で重要なのは、口座が誰の名義かではなく、その原資が誰の収入から出たかという「実質的な帰属」です。名義人と、実際にお金を出した人が一致しないケースは珍しくありません。

名義人=持ち主とは限らない

たとえば配偶者があなたの名義でNISA口座を開き、配偶者自身の給与から入金して運用していたとします。名義はあなたでも、原資が配偶者の収入であれば、その資産は実質的に夫婦の共有財産と評価されるのが一般的です。

婚姻期間中に形成された分が対象

財産分与の対象は、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産です。NISA口座の中身も、婚姻後に積み立てられた部分であれば、名義に関係なく分与の対象になり得ます。逆に結婚前から持っていた資産や、相続・贈与で得た資産は、特有財産として対象外になることがあります。

原資の出どころを切り分ける

問題になりやすいのが、婚姻前後の資金が一つの口座で混ざっているケースです。結婚前から持っていた資金を元手に、婚姻後も買い増しを続けていた場合、どこまでが特有財産でどこからが共有財産かの線引きが争点になります。入金の記録や取引履歴をたどり、原資の出どころを丁寧に切り分ける作業が欠かせません。

同意なき口座開設そのものの問題

本人の知らないうちに、その人の名義で金融口座を開設する行為は、それ自体が看過できない問題をはらみます。

本人確認書類の無断使用

口座開設には本人確認書類とマイナンバーの提出が必要です。これを本人の同意なく使った場合、書類の無断使用にあたる可能性があります。証券会社の規約上も、名義人本人による申込みが前提とされています。

税務上の取り扱いにも注意

原資を出した人と名義人が違う口座は、実態によっては資金の移転とみなされ、税務上の論点になることがあります。離婚時に資産を整理する際は、誰がいついくら入金したのかという記録が後々重要になります。なお、税務上の評価は事案ごとに異なり、断定はできないため、不安があれば税理士へ確認するのが安全です。

NISA資産は財産分与でどう扱われるか

NISAはあくまで非課税で運用するための「器」であり、その中身は株式や投資信託といった有価証券です。財産分与では、この中身を評価して分けることになります。

評価のタイミング

有価証券は日々価格が変動します。財産分与での評価基準日をいつにするかで、金額が変わってきます。実務では別居時点や離婚時点を基準にすることが多く、どの時点で評価するかを当事者間で確認しておく必要があります。

分け方の選択肢

NISA口座の資産を分ける方法はいくつかあります。口座そのものを名義人から相手に移すことは制度上できないため、現金で清算する形が現実的です。

  • 評価額を算出し、その半分相当を現金で相手に支払う
  • 有価証券を売却して現金化し、その金額を分ける
  • 他の財産(預貯金や不動産)との総額で調整して清算する

売却すると非課税枠を使い切ってしまう、相場の下落時に売ると損が出るといった事情もあるため、現金清算を選ぶケースが多く見られます。

含み益・含み損の扱い

有価証券には、買った時より値上がりした含み益や、値下がりした含み損があります。財産分与では、基準日時点の時価で評価するのが原則です。含み益がある状態で評価すれば分与額は大きくなり、逆に含み損があれば小さくなります。将来さらに値動きする可能性まで織り込むことは難しいため、あくまで基準日の評価額をベースに話し合うことになります。相手が「これから値下がりするかもしれない」と主張しても、評価は基準日の時価で考えるのが基本です。

無断のNISA口座を確認・対処する方法

そもそも口座の存在に気づかなければ、財産分与の交渉のテーブルに乗せられません。まずは把握することが出発点です。

STEP1:証券会社からの郵送物を確認

取引報告書や運用報告書、税務関係の書類は、定期的に名義人の住所へ郵送されます。身に覚えのない証券会社からの封書やハガキが届いていないか、郵便物を確認します。

STEP2:マイナポータルや信用情報を活用

自分名義の口座であれば、マイナンバーに紐づく情報や、年間取引報告書の控えから手がかりが得られる場合があります。確定申告の資料や源泉徴収に関する書類も併せて確認します。

STEP3:弁護士を通じた開示請求

交渉や調停の段階では、弁護士を通じて相手に財産の開示を求められます。相手が任意に開示しない場合、調停・裁判の手続きの中で、裁判所を介した調査が行われることもあります。

STEP4:専門家による財産調査

相手が資産を隠していることが疑われ、口座の特定が難しい場合には、探偵などの専門家による財産調査を併用する方法があります。生活実態や資金の流れから、隠れた口座の存在を裏づける情報を集めます。

違法ライン

配偶者の資産を確認したい気持ちは理解できますが、手段を誤ると、こちらが法的責任を問われます。次の行為は避けてください。

  • 配偶者のスマホやPCを無断で解除し、証券口座のアプリにアクセスする
  • 配偶者のネット証券のIDとパスワードを無断で使ってログインする
  • 配偶者宛ての郵便物を本人に無断で開封する
  • 金融機関の担当者になりすまして情報を聞き出す

不正アクセスや無断でのログインは、それ自体が違法となり得ます。証拠として欲しい情報であっても、適法な手続きで取得することが、結果的に交渉を有利に進める近道です。

探偵調査との組み合わせ

隠し資産の調査は、弁護士による法的手続きと、探偵による実態調査を組み合わせると効果的です。弁護士が開示請求を進める一方で、探偵が配偶者の生活レベルや取引の痕跡を調べ、申告されていない資産の存在を裏づけます。

「家計の収入に対して、申告される資産が明らかに少ない」といった矛盾が見えれば、それが交渉の材料になります。財産分与は、見つけられた財産の範囲でしか分けられないため、相手が隠している資産を把握できるかどうかが結果を大きく左右します。

調査の費用感としては、対象や範囲によって幅がありますが、特定の証券口座や資金の流れに絞ったピンポイントの調査であれば、おおむね15万円から35万円程度が目安になります。やみくもに全方位を調べるよりも、疑わしい点を弁護士と整理したうえで、必要な範囲に絞って依頼するほうが費用対効果は高くなります。得られた情報を弁護士に渡し、適法な開示請求につなげる流れが現実的です。

まとめ:名義より「誰のお金か」を見る

無断で作られたNISA口座は、名義の表面だけを見ても本質はつかめません。重要なのは、その原資が誰の収入から出て、婚姻期間中にどう積み上がったかという実質です。身に覚えのない口座に気づいたら、感情的に動く前に証拠を整理し、弁護士に相談してください。離婚ポータルでは、隠し資産の調査に対応した探偵事務所を地域別に検索できます。

執筆

離婚ポータル事務局

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