【2026年4月〜】養育費の新ルールと不払い対策|法定養育費制度をわかりやすく解説
[掲載日]2026/03/23 2 -
この記事では、2026年4月1日に施行された民法改正による養育費の新ルールをわかりやすく解説します。法定養育費制度の新設・離婚届への記載義務化・不払い対策まで、最新情報をまとめています。
2026年4月の民法改正で養育費はどう変わった?
2024年5月に成立した民法等の改正法が、2026年4月1日より施行されました。この改正は日本の離婚・親権制度を大きく変えるもので、養育費に関しても重要なルール変更があります。
✅ 2026年4月からの主な変更点
- ①法定養育費制度の新設:取り決めがなくても一定額を請求できる
- ②離婚届への記載:養育費・面会交流の取り決め状況を記載する欄が追加
- ③財産開示手続の強化:不払い時の強制執行がより使いやすく
- ④共同親権制度の導入:離婚後も原則として父母双方が親権を持つ(一定条件下)
法定養育費制度とは?取り決めがなくても請求できる
改正前は、養育費を受け取るには「離婚時に書面で合意する」か「調停・審判で決める」必要がありました。しかし、多くのケースで取り決めがなされないまま離婚しており、養育費未払いが社会問題となっていました。
2026年4月からは、法定養育費制度が新設されます。これにより、合意がなくても法律で定められた一定額の養育費を、家庭裁判所を経由せずに請求することが可能になります。
📌 法定養育費のポイント
- 取り決めなしでも離婚の翌日から請求可能
- 金額は政令で定められた標準額(子1人あたり月額目安)が適用される
- 双方が別途合意した場合は、その合意額が優先される
- 法定養育費は当面の生活保障として機能する最低ライン
養育費の相場(養育費算定表)
養育費の金額は、双方の収入・子どもの年齢・人数などをもとに裁判所が公表している「養育費算定表」を参考に決めるのが一般的です。
| ケース例(権利者:専業主婦) | 義務者年収300万円 | 義務者年収600万円 |
|---|---|---|
| 子1人(0〜14歳) | 2〜4万円/月 | 6〜8万円/月 |
| 子1人(15〜19歳) | 4〜6万円/月 | 8〜10万円/月 |
| 子2人(両方0〜14歳) | 4〜6万円/月 | 8〜12万円/月 |
※上記は目安。詳細は裁判所「養育費・婚姻費用算定表」をご参照ください。
養育費の不払い対策|強制執行・財産開示手続
養育費の不払いは、日本では約7割のケースで発生しているとも言われています。改正後も不払いへの備えは重要です。
① 公正証書・調停調書で合意する
- 公正証書に「強制執行認諾文言」を入れることで、裁判なしで強制執行が可能に
- 調停調書・審判書も同様に強制執行の根拠になる
- 口頭合意・LINEのみの合意では強制執行できない
② 給与差押え(強制執行)
- 相手の勤務先の給与を直接差し押さえることができる
- 養育費の場合は給与の最大2分の1まで差押え可能(通常の債権は4分の1)
- 差押えは一度申し立てると継続的に効果が続く
③ 財産開示手続・第三者情報取得手続
- 財産開示手続:相手に裁判所で財産を申告させる手続き。正当な理由なく不出頭・虚偽申告は刑事罰あり
- 第三者情報取得手続:銀行・証券会社・市区町村・登記所に直接情報照会できる
- 2020年改正でこれらの手続きが強化され、より使いやすくなった
離婚届への養育費記載|2026年4月から
改正後の離婚届には、「養育費の取り決めの有無」「面会交流の取り決めの有無」を記載する欄が追加されます。ただし、これは取り決め内容を届け出に記載するものではなく、「取り決めをしたかどうか」のチェックボックスです。
⚠️ 注意点
- 「取り決めなし」でも離婚届は受理される(義務ではない)
- 実際の養育費額・支払い方法は別途書面(公正証書など)で定めることが重要
- 離婚届記載は法定養育費の請求要件ではない
よくある質問(Q&A)
Q. 法定養育費はいつから請求できますか?
A. 2026年4月1日以降に離婚した場合が対象です。離婚の翌日から請求できるとされていますが、金額や手続き方法の詳細は政令等で定められます。施行前に離婚した方には遡及適用されません。
Q. 相手が自営業で給与差押えができません。どうすれば?
A. 給与がない場合は、銀行口座・不動産・車などの財産を差し押さえることができます。財産開示手続・第三者情報取得手続を活用して相手の財産を把握し、弁護士に相談して手続きを進めましょう。
Q. 養育費はいつまで支払われますか?
A. 原則として子どもが成人(18歳)になるまでですが、合意で「大学卒業まで」などと定めることも可能です。2022年の成人年齢引き下げにより、以前は20歳までとしていた場合の解釈が変わるケースもあるため注意が必要です。
📌 まとめ
2026年4月の民法改正で、養育費をめぐる環境は大きく変わりました。
- 法定養育費制度で取り決めなしでも請求できるようになった
- 離婚届に養育費・面会交流の取り決め欄が追加された
- 不払い対策は公正証書+強制執行の組み合わせが基本
- 財産開示手続・第三者情報取得で相手の財産を把握できる
- 養育費の問題は複雑なため、早めに弁護士へ相談することが重要

