離婚公正証書・離婚協議書の作り方|費用・手順・記載項目を完全解説
[更新日]2026/04/18 74 -
この記事では、離婚する際に取り決めた内容を法的に守られた形で残すための離婚協議書・公正証書の作り方・費用・手順をわかりやすく解説します。
離婚協議書と公正証書の違い
離婚時の取り決めを書面にする方法は主に2種類あります。離婚協議書と離婚公正証書の違いを理解して、自分の状況に合ったものを選びましょう。
| 離婚協議書 | 離婚公正証書 | |
|---|---|---|
| 作成者 | 夫婦(自分たちで作成) | 公証人(公証役場で作成) |
| 費用 | ほぼ無料 | 1〜5万円程度 |
| 法的効力 | 証拠にはなるが 強制執行はできない |
強制執行が可能 |
| 不払い時の対応 | 裁判が必要 | 裁判なしで差押え可 |
| おすすめ場面 | まず作成する際の下書きとして | 養育費・慰謝料があるなら必須 |
📌 公正証書をおすすめする理由
養育費や慰謝料の支払いは、口約束や簡単な書面では不払いになっても取り立てが難しいです。公正証書(執行認諾条項付き)があれば、不払いの際に裁判を経ずに給与・預貯金を差し押さえできます。特にお金の支払いが伴う場合は公正証書の作成を強くおすすめします。
離婚協議書・公正証書に記載する主な内容
書面には離婚に関する取り決め全般を記載します。抜け漏れのないよう、以下の項目を確認してください。
✅ 記載すべき主な項目
- 離婚の合意:協議離婚することの確認
- 親権:子どもの親権者(父 or 母)
- 養育費:金額・支払日・終了時期・進学時の増額など
- 面会交流:頻度・方法・連絡方法
- 財産分与:対象財産・分割方法・期限
- 慰謝料:金額・支払方法・分割の場合は回数と期限
- 年金分割:按分割合(合意分割の場合)
- 住宅ローン:誰が払うか・名義変更の有無
- 清算条項:この合意以外に請求しない旨の確認
公正証書の作り方・手順
離婚条件をまとめる
まず夫婦間で離婚条件をすべて話し合い、合意内容をメモや下書きにまとめます。
最寄りの公証役場に連絡・予約
全国どの公証役場でも作成できます。電話やメールで事前に相談・予約をしてください。
必要書類を準備する
本人確認書類(運転免許証など)、印鑑(認印可)、戸籍謄本、財産に関する資料(通帳のコピーなど)が必要です。
公証役場で内容を確認・署名
公証人が原案を作成し、夫婦双方が同席して内容を確認・署名します。原則として夫婦2人が公証役場に出向く必要があります(代理人可能な場合もあり)。
公正証書の交付・費用の支払い
正本・謄本が交付されます。費用は公証役場に支払います。
公正証書の作成費用(公証人手数料)
公正証書の費用は目的価額(養育費・財産分与などの合計金額)によって変わります。
| 目的価額 | 公証人手数料 |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 200万円以下 | 7,000円 |
| 500万円以下 | 11,000円 |
| 1,000万円以下 | 17,000円 |
| 3,000万円以下 | 23,000円 |
※上記は公証人手数料令による基準額。複数の取り決めがある場合はそれぞれ計算した合計になります。別途、正本・謄本の手数料(1枚250円)なども加算されます。
よくある質問(Q&A)
Q. 離婚後に公正証書は作れますか?
A. 離婚後でも作成は可能です。ただし、離婚前に作成する方が相手の協力を得やすく、有利な条件で取り決めやすいです。離婚前に公正証書を作成してから離婚届を提出するのがベストです。
Q. 相手が公正証書の作成を拒否した場合は?
A. 相手の同意がないと公正証書は作成できません。その場合は調停を申し立て、調停調書を作成する方法があります。調停調書も公正証書と同様の効力(強制執行が可能)を持ちます。
Q. 弁護士や行政書士に作成を頼む場合の費用は?
A. 行政書士に依頼する場合は3〜8万円程度、弁護士に依頼する場合は5〜20万円程度が目安です(公証人手数料は別途)。複雑な内容や相手との交渉が必要な場合は専門家への依頼が安心です。
公正証書と私署証書(普通の合意書)の違い
| 項目 | 離婚公正証書 | 私署証書(離婚協議書) |
|---|---|---|
| 作成場所 | 公証役場(公証人が作成) | 当事者が自分で作成 |
| 法的効力 | 強制執行認諾条項を入れることで強制執行が可能 | 裁判を起こさなければ強制執行できない |
| 証明力 | 公文書として高い証明力を持つ | 相手に内容を否定されるリスクがある |
| 費用 | 財産額に応じた公証人手数料(数万円〜) | 印紙代のみ(または無料) |
公証役場での作成手順
- 公証役場への予約
全国どこの公証役場でも作成できます。電話またはホームページから予約を入れ、「離婚公正証書を作成したい」と伝えると必要書類の案内を受けられます。 - 合意内容の整理と下書き持参
養育費・財産分与・面会交流・慰謝料など、合意した内容をまとめたメモや下書きを持参します。公証人が内容を確認し、法的に有効な文章に整えてくれます。 - 公正証書の作成・読み合わせ
公証人が文案を作成し、当事者双方の立ち会いのもとで内容を読み合わせます。内容に問題がなければ署名・押印を行います。 - 費用の支払い・正本の受け取り
公証人手数料を支払い、公正証書の正本(原本の写し)を受け取ります。原本は公証役場に保管されます。
公正証書に必ず入れるべき5つの条項
- 養育費に関する条項:月額・支払日・支払期間・振込先口座を明記します。進学や病気など特別な事情が生じた場合の対応についても記載しておくと安心です。
- 財産分与に関する条項:不動産・預貯金・退職金・自動車など、分与する財産の内容と割合を具体的に記載します。名義変更時期や費用負担についても明記しましょう。
- 面会交流に関する条項:非親権者が子どもと会う頻度・方法・場所・時間・連絡方法などを定めます。「月1回、第2土曜日に○時間」などと具体的に書くと後のトラブルを防げます。
- 慰謝料に関する条項:慰謝料の有無・金額・支払方法(一括または分割)・支払期限を記載します。分割払いの場合は遅延した場合の対応も明記しておくと安全です。
- 強制執行認諾条項およびペナルティ条項:「支払いを怠った場合は直ちに強制執行に服する旨を認諾する」という条項を必ず盛り込みます。この条項がなければ公正証書であっても強制執行はできません。遅延損害金の定めも記載しておくと効果的です。
費用の計算方法(公証人手数料の目安)
公正証書の作成にかかる公証人手数料は、証書に記載する財産の合計額によって異なります。
| 財産の合計額 | 公証人手数料(基本) |
|---|---|
| 100万円以下 | 5,000円 |
| 100万円超〜200万円以下 | 7,000円 |
| 200万円超〜500万円以下 | 11,000円 |
| 500万円超〜1,000万円以下 | 17,000円 |
| 1,000万円超〜3,000万円以下 | 23,000円 |
手数料のほかに、正本・謄本の交付手数料(1枚250円)や送達費用などが加算されます。合計で2万〜5万円程度が一般的な目安です。
よくある質問(FAQ)
Q. 公正証書がなければ強制執行はできないのですか?
A. 必ずしもそうではありませんが、公正証書がない場合は強制執行までに裁判(訴訟または調停)を経る必要があります。私署証書(普通の合意書)では、相手が支払いを拒否しても、まず裁判で判決・調停調書などの債務名義を取得しなければ強制執行に踏み切れません。一方、強制執行認諾条項が入った公正証書があれば、裁判を起こさずに直接給与や預金を差し押さえることができます。
Q. 既に口頭や私署証書で合意した内容を、後から公正証書にすることはできますか?
A. できます。離婚後であっても、両者が合意している限りいつでも公正証書を作成することが可能です。ただし、元配偶者に公証役場への来場に同意してもらう必要があります。相手が協力してくれない場合は、弁護士に相談し、調停などを通じて合意内容を公的に確定させる方法を検討してください。
📌 まとめ
離婚時の取り決めは、必ず書面(できれば公正証書)に残すことが重要です。
- 公正証書は不払い時に裁判なしで強制執行できる最強の書面
- 養育費・慰謝料・財産分与などお金が絡む場合は公正証書が必須
- 公証人手数料は目的価額により5,000円〜が相場(比較的安価)
- 記載漏れ防止に弁護士や行政書士のサポートを活用するのもおすすめ
- 離婚届提出前に公正証書を作成するのがベスト
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執筆・監修
離婚ポータル事務局
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