【体験談】夫の暗号資産口座1500万円を発見|財産分与で勝ち取るまでの記録
[掲載日]2026/07/25 2 -
「夫の机の引き出しから、見覚えのない取引所の年間取引報告書が出てきた。利益額の欄に、ゼロが並んでいた」——大阪市在住のKさん(44歳・パート勤務)からの体験談です。IT好きの夫Lさん(46歳・システムエンジニア)が内緒で運用していた暗号資産(仮想通貨)1500万円分を発見し、証拠保全から弁護士会照会、調査嘱託、評価額の確定を経て、財産分与で取り分を勝ち取るまでの記録を、本人の許可を得て掲載します。
相談者プロフィール
Kさん(44歳)、結婚18年目、子ども2人(高校生・中学生)。夫Lさんはシステムエンジニアで、収入は安定していました。Kさんは結婚後しばらく専業主婦で、数年前からパート勤務。家計はKさんが管理していましたが、夫の小遣いの使い道までは把握していませんでした。
異変の始まり:2025年春
夜中のスマホとパソコン
2025年4月頃から、夫が深夜に書斎でパソコンを開く時間が増えました。「仕事の対応」と説明されていましたが、画面をのぞこうとすると、さりげなく閉じる仕草が気になり始めます。
急に羽振りが良くなった
家計に大きな変化はないのに、夫が高価な腕時計を買い、家族旅行のグレードを上げたがるようになりました。「ボーナスが良かった」と言うものの、会社の業績はそこまで上向きではないはずでした。Kさんが「臨時収入でもあったの」と尋ねても、夫は「投資が少し当たっただけ」とだけ答え、それ以上は語りませんでした。今思えば、このひと言が唯一のヒントでした。
小さな振込の繰り返し
家計簿アプリを見直すと、夫名義の口座から、ある取引所あてに毎月3万〜5万円の振込が、2年近く続いていることに気づきました。「積立投資」と聞いていましたが、振込先は証券会社ではなく、暗号資産の取引所でした。
発見の経緯:年間取引報告書
決定的だったのは、確定申告の時期でした。Kさんが医療費控除の書類を探して夫の机の引き出しを開けたところ、取引所が発行した年間取引報告書が出てきました。雑所得として記載された利益額は、1年分だけで数百万円。慌ててもう一段奥を探すと、過去の報告書も複数枚あり、保有資産が1500万円規模に育っていることが読み取れました。Kさんは動揺しましたが、まず書類をその場で写真に収めることを優先しました。
証拠保全
STEP1:書類の撮影と保管
見つけた年間取引報告書を、日付と利益額が読める形で1枚ずつ撮影。原本は元の位置に戻し、夫に気づかれないようにしました。撮影データは自分のメールにも送り、複数の場所に保存。
STEP2:入金履歴の整理
家計簿アプリと通帳から、取引所あての振込履歴を時系列で一覧化。約2年分、合計でおよそ90万円の入金があったことを表計算ソフトに整理しました。元手と現在価値の差が、価格上昇によるものだと裏づける材料になります。
STEP3:取引所名とアプリの特定
夫のスマホは見ませんでしたが、共有のタブレットに残っていた通知履歴から、利用している取引所名と、ウォレットアプリの存在を確認。どの会社に照会をかければよいかが明確になりました。
STEP4:弁護士相談
離婚に強い弁護士へ相談。「報告書の写真と入金履歴があれば、保有の存在を主張する出発点になる。ただし正確な残高は、本人が認めなければ正規の手続きで開示を求める必要がある」と助言を受けました。
弁護士会照会と調査嘱託
夫は当初「ほとんど残っていない」と主張
離婚を切り出すと、夫は暗号資産の存在自体は認めたものの、「値下がりして、今はほとんど価値がない」と主張しました。Kさんが手元の報告書を示しても、最新の残高は明かしません。
取引所への照会
弁護士を通じて取引所へ照会をかけ、アカウントの存在と取引の事実を確認。さらに離婚調停の中で、裁判所を通じた調査嘱託を申し立て、保有銘柄と数量、取引履歴の開示を求めました。取引所名が特定できていたため、申立てはスムーズに進みました。
隠し切れなかった残高
開示された内容から、夫が「ほとんど価値がない」と言っていた口座に、依然として1500万円相当の暗号資産が残っていることが判明しました。
探偵調査による裏づけ
もう一つの口座を疑う
開示された残高に納得したものの、Kさんには「これで全部なのか」という不安が残りました。夫はITに詳しく、別の取引所やウォレットに資産を分散している可能性も否定できなかったからです。弁護士の勧めもあり、財産調査に対応する探偵事務所に相談しました。
生活実態からの推定
探偵は、夫の説明のつかない高額消費や、勤務先以外での金銭の動きを中心に、対象を絞って調査。結果として、開示された口座以外に大きな隠し資産がある証拠は見つからず、「1500万円が保有のほぼ全体である」と裏づけられました。ピンポイントで対象を絞ったため、調査費用は28万円に収まりました。
「これで全部」と確信できた意味
Kさんは「他に隠していないと客観的に確認できたから、安心して合意できた。疑ったまま離婚していたら、ずっと後悔していたと思う」と振り返ります。
評価額の確定
基準時の時価で算定
開示された保有銘柄と数量をもとに、別居時を基準とした時価で評価額を算定。複数銘柄を合算し、約1500万円という金額が確定しました。
「自分の運用益」という反論への対応
夫は「自分が勉強して運用した利益だから自分のもの」と繰り返し反論しました。しかし、買い増しの原資はすべて婚姻中の給与であり、その間Kさんが家事と子育てを担って家庭を支えてきた事実は明らかです。弁護士は「運用したのが一方であっても、原資が共有財産である以上、分与の対象から外れない」と主張し、調停委員もこれを支持しました。最終的に夫の反論は退けられました。
離婚と財産分与
協議と調停を経て、暗号資産1500万円分を含む夫婦の共有財産を分与の対象とすることで合意しました。財産を隠そうとした夫の対応が調停委員の心証にも影響し、Kさんに有利な形でまとまりました。
- 親権:Kさん(子2人)
- 養育費:夫から月8万円
- 面会交流:月1回
- 財産分与:暗号資産を含む共有財産を50%、Kさんの取り分は約750万円相当
- 年金分割:50%
離婚成立までの期間
年間取引報告書の発見(2025年6月)から離婚成立(2026年4月)まで、約10ヶ月でした。残高を巡る攻防に時間を要しましたが、調査嘱託で開示が実現したことで、最終的に評価額を固められました。
Kさんからの学び・教訓
1. 通帳に載らない資産を疑う
「銀行口座が空っぽでも、安心してはいけない。お金は仮想通貨に姿を変えて、見えない場所にあった」
2. 見つけた瞬間に証拠を残す
「報告書を見つけたとき、問い詰める前にまず写真を撮ったのが正解だった。問い詰めていたら、隠されて終わっていたと思う」
3. 残高は正規の手続きで開示させる
「自分でスマホをのぞくのではなく、弁護士会照会と調査嘱託に任せた。だから開示された数字は、調停でそのまま証拠として使えた」
同じ状況で悩んでいる方へのアドバイス
1. 家計の「説明できない振込」を追う
「毎月の少額の振込先を一つずつ確認するだけで、隠れた資産の入り口が見つかることがある」
2. 確定申告の控えを確認する
「雑所得の欄に思いがけない金額が書かれていることがある。申告書類は、隠し財産を映す鏡」
3. 一人で抱え込まない
「相手がITに詳しいと、つい『自分には分からない』と諦めがち。でも、弁護士と探偵に頼れば、専門知識がなくても資産は追える」
まとめ:お金は姿を変えて隠される
暗号資産は、通帳にも残高証明にも載らないまま、夫婦の財産の中に静かに積み上がっていきます。Kさんは、たった一枚の報告書を見逃さず、冷静に証拠を残し、正規の手続きで残高を開示させることで、本来受け取るべき取り分を守りました。離婚ポータルでは、暗号資産など隠し財産の調査に対応した探偵事務所を地域別に検索できます。
執筆
離婚ポータル事務局
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