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離婚後の確定申告と税金手続き|医療費控除・扶養控除の見直し方

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[更新日]2026/04/18 38 -

離婚すると税金の扱いが大きく変わります。扶養控除の変更・医療費控除・寡婦(寡夫)控除など、申告の仕方を間違えると損をしてしまいます。この記事では離婚後に必要な税金手続きと、賢く節税するポイントを解説します。

離婚で変わる扶養控除と寡婦(寡夫)控除

離婚後に子どもを扶養している場合は扶養控除(16歳以上の子:年38万円控除)を申告できます。また、配偶者のいないひとり親の方はひとり親控除(年35万円控除、2020年改正)を利用できます。

ひとり親控除の要件:①婚姻していない②生計を一にする子どもがいる③合計所得金額が500万円以下。旧来の「寡婦控除」より適用範囲が広がっています。年末調整で申告できます。

養育費と税金の関係

受け取った養育費は非課税です(贈与税・所得税ともにかかりません)。ただし、毎年110万円を超える一括払いの場合は贈与税が課される可能性があります。

財産分与で受け取った財産も原則として非課税(所得税・贈与税なし)です。ただし「分与割合が不当に高い」と税務署に判断されると課税される場合があります。適切な財産分与の割合(原則1/2)で手続きすることが重要です。

医療費控除の活用と確定申告

離婚後に子どもの医療費が多い場合、確定申告で医療費控除が利用できます。年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超えた部分が控除対象です。

領収書は全てとっておきましょう。市販薬や通院交通費も含まれます。スマホアプリ(確定申告書等作成コーナー)を使えばe-Taxで簡単に申告できます。

離婚年の確定申告の注意点

離婚した年の確定申告では①配偶者控除の適用可否(離婚が年末でない場合は要確認)②扶養控除の変更③住宅ローン控除の継続(住み続ける場合)④不動産売却時の譲渡所得の申告、などを確認します。

判断が複雑な場合は税理士への相談をおすすめします。離婚に詳しい税理士や、市区町村の無料税務相談を活用してください。

ひとり親控除・寡婦控除の要件と控除額

離婚後にひとりで子どもを育てる方には、所得税・住民税の負担を軽減する「ひとり親控除」と「寡婦控除」が設けられています。2020年(令和2年)の税制改正により制度が整理され、現在は以下のように定められています。

ひとり親控除(令和2年以降)

  • 対象者:現在婚姻していない人(離婚後・死別後を問わず)で、生計を同一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する人
  • 所得制限:本人の合計所得金額が500万円以下であること
  • 控除額:所得税35万円(住民税30万円)
  • 対象となる子:他の人の同一生計配偶者または扶養親族になっていない子に限る

寡婦控除(令和2年以降)

  • 対象者:ひとり親控除の対象とならない女性で、離婚後に扶養親族を有する人、または夫と死別・生死不明の人
  • 所得制限:本人の合計所得金額が500万円以下であること
  • 控除額:所得税27万円(住民税26万円)

ひとり親控除は男女を問わず適用されますが、寡婦控除は女性のみが対象です。離婚後に子どもと同居してひとり親として生計を立てている方は、ひとり親控除の適用を忘れずに確認してください。

養育費の税務上の扱い

養育費は、受け取る側と支払う側それぞれで税務上の扱いが異なります。この点を正確に理解しておくことが、離婚後の家計管理において重要です。

受け取り側(養育費をもらう側)

子どもの養育費として受け取るお金は、原則として非課税です。所得税の計算において、養育費は「扶養義務者相互間における生活費または教育費に充てるための給付」として課税対象外とされています(所得税法9条1項15号)。ただし、養育費として受け取ったお金を生活費・教育費以外の用途(投資・貯蓄など)に充てた場合は課税対象になる可能性があるため注意が必要です。

支払い側(養育費を払う側)

養育費の支払いは、支払う側の所得控除の対象にはなりません。ただし、養育費を支払っている子どもを扶養親族として申告することで扶養控除を受けられる場合があります。扶養控除の適用には、子どもの生計維持に必要な費用を負担しているという実態が求められます。なお、扶養控除は親権者(同居親)と非親権者(別居親)の双方が申告することはできないため、どちらが申告するかを事前に取り決めておくことが大切です。

財産分与で不動産をもらった場合の税金

離婚に伴う財産分与として不動産を受け取った場合、原則として贈与税は課税されません。しかし、所得税・不動産取得税・登録免許税については別途考慮が必要です。

贈与税の原則非課税と例外

ケース 税務上の扱い
財産分与として不動産を受け取った(通常の場合) 贈与税は非課税(財産分与は贈与ではなく清算と判断)
分与の割合が社会通念上著しく過大な場合 過大な部分について贈与税が課税される可能性
税金逃れが目的と認定された場合 実質的な贈与として全額に課税される可能性

不動産を渡す側(譲渡所得税)

財産分与として不動産を渡した側は、その不動産を「時価で譲渡した」とみなされ、取得時の価格と時価の差額に対して譲渡所得税が課税されます。自宅(居住用財産)の場合は3,000万円の特別控除が適用される場合があるため、税理士に確認することを推奨します。

不動産を受け取る側(不動産取得税・登録免許税)

財産分与により不動産を取得した側には、不動産取得税(固定資産税評価額の3%、住宅の場合)と登記の移転に伴う登録免許税(固定資産税評価額の2%)が課税されます。これらは離婚後の資金計画に影響するため、あらかじめ概算額を把握しておくことが重要です。

慰謝料の税務上の扱い

離婚に伴い受け取る慰謝料は、原則として所得税・贈与税ともに非課税です。精神的損害に対する賠償(損害賠償金)は所得ではないとされており、課税対象に含まれません。ただし、慰謝料として受け取った金額が社会通念上著しく高額であると税務署に認定された場合は、超過部分が贈与税の対象となることがあります。また、慰謝料として不動産を受け取った場合は、金銭の慰謝料と同様に原則非課税ですが、前述の不動産取得税・登録免許税は発生します。

年末調整と確定申告の違い・手続き方法

離婚後の税務手続きとして、ひとり親控除・扶養控除の適用方法を正しく理解することが必要です。

年末調整で対応できるケース

給与所得者(会社員・パート等)の場合、勤務先の年末調整でひとり親控除・扶養控除を申告できます。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に必要事項を記載し、10月〜11月頃に勤務先へ提出します。離婚・子どもの扶養状況に変化があった年は、申告書の内容を必ず更新してください。

確定申告が必要なケース

  • 給与以外の収入がある場合(副業・不動産収入など)
  • 医療費控除・住宅ローン控除(初年度)などを受ける場合
  • 財産分与・慰謝料で不動産を取得・譲渡した場合
  • 年の途中で離婚した場合で年末調整の修正が間に合わなかった場合
  • 複数の勤務先から給与を受けている場合

確定申告の期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までです。国税庁の確定申告書作成コーナー(e-Tax)を利用すると、必要書類をもとに入力するだけで申告書を作成・送信できます。

よくある質問

Q. 元配偶者と子どもの扶養控除を重複して申告してしまいました。どうなりますか?

同一の子どもについて、両親の双方が扶養控除を申告することはできません(一人の扶養親族につき控除を受けられるのは一人のみ)。重複申告が発覚した場合、後から申告した側(または税務署が誤りと判断した側)に対して修正申告・更正が求められ、追加の所得税・住民税と延滞税が発生します。離婚の際には「どちらが扶養控除を申告するか」を離婚協議書または公正証書に明記しておくことが重要です。もし重複申告を行ってしまったと気づいた場合は、速やかに管轄の税務署に相談し、修正申告の手続きを行ってください。

Q. 離婚後に子どもの医療費が多くかかりました。医療費控除は受けられますか?

医療費控除は、自己または生計を同一にする配偶者・親族のために支払った医療費が対象となります(所得税法73条)。離婚後に子どもを扶養しているひとり親の場合、子どものために支払った医療費は自分の医療費控除の対象に含めることができます。控除額は、その年に支払った医療費の合計額から保険金等で補填された金額を差し引き、さらに10万円(または合計所得金額の5%のいずれか低い方)を超えた部分が対象です。年末調整では医療費控除の申告はできないため、確定申告を行う必要があります。領収書は5年間保管が義務付けられていますので、医療機関の領収書は必ず保管しておいてください。

執筆

離婚ポータル事務局

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