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離婚裁判(離婚訴訟)の流れと判決までにかかる期間

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[更新日]2026/04/18 42 -

調停が不成立に終わった後、離婚を求め続けるには「離婚訴訟(裁判離婚)」という選択があります。裁判になると判決で強制的に離婚が成立することもあり、最終手段として知っておきたい手続きです。この記事では離婚裁判の流れ・期間・費用・法定離婚事由について解説します。

裁判離婚が認められる「法定離婚事由」とは

日本では、相手が離婚に同意しない場合でも、以下の法定離婚事由(民法770条)があれば裁判で離婚が認められます。①不貞行為(浮気・不倫)②悪意の遺棄(正当な理由なく同居・扶養を拒否)③3年以上の生死不明回復の見込みのない強度の精神病その他婚姻を継続しがたい重大な事由(DV・モラハラ・長期別居・性格の不一致など)。

⑤の「その他」は幅広く解釈されており、長期間(5〜7年程度)の別居事実があれば認められるケースも増えています。

離婚裁判の流れをステップで解説

訴状の提出:相手の住所地を管轄する地方裁判所(離婚は家庭裁判所)に訴状を提出②第1回口頭弁論:1〜2ヵ月後に開催③証拠調べ・証人尋問和解の試み:裁判官から和解提案がある場合も⑤判決:双方の主張・証拠を踏まえて裁判官が判決を下す⑥控訴・上告(不服がある場合)。

裁判は通常月1回ペースで進みます。争いの少ない案件で1年前後、複雑な案件では2〜3年かかることもあります。

裁判にかかる費用の内訳

申立手数料(収入印紙):離婚のみで13,000円、財産分与・慰謝料・養育費を合わせると追加費用あり②弁護士費用:着手金30〜50万円+報酬金(成功報酬)が一般的③日当・交通費:弁護士が期日に出廷するたびに発生。

裁判は費用・時間・精神的負担が大きいため、可能であれば調停段階での解決を目指すことが望ましいです。法テラスの弁護士費用立替制度(審査あり)も活用を検討してください。

有責配偶者からの離婚請求と認められるケース

不倫などをした「有責配偶者」からの離婚請求は原則として認められませんが、例外があります。①長期間の別居(10年以上が目安)②未成熟の子どもがいない③相手配偶者が経済的に苦しくならない、の3要件を満たす場合は認められる可能性があります。

有責配偶者の立場でも諦めずに弁護士に相談することで、解決の糸口が見つかる場合があります。

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離婚訴訟を提起する前提条件(調停前置主義)と管轄

離婚訴訟(離婚裁判)は、夫婦の一方がいきなり家庭裁判所へ提起できるものではありません。家事事件手続法第257条は、離婚を含む人事訴訟事件について「まず家庭裁判所の調停を申し立てなければならない」とする調停前置主義を定めています。つまり、協議離婚が成立しない場合でも、まずは離婚調停を行い、そこで合意に至らず調停不成立となって初めて訴訟提起が可能になります。調停を経ずに訴訟を提起した場合、裁判所は職権で事件を調停に付すのが原則ですが、当事者の一方が行方不明であるなど調停に適さない特段の事情がある場合には、例外的に調停を経ずに訴訟に移行できるケースもあります。

離婚訴訟を提起できるのは、民法770条1項に定める法定離婚事由が存在する場合です。具体的には、①不貞行為、②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④回復の見込みがない強度の精神病、⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由、の5つです。実務上は⑤の「婚姻を継続し難い重大な事由」が争点となることが多く、長期別居、DV、モラハラ、性格の不一致の深刻化などが該当するかが判断されます。

管轄については、人事訴訟法第4条により、原則として夫または妻の住所地を管轄する家庭裁判所が管轄権を持ちます。夫婦が別居していて居住地が離れている場合は、相手方の住所地の家庭裁判所が管轄となるのが一般的ですが、調停を行った家庭裁判所が自庁処理を相当と認めた場合はその裁判所で審理されることもあります。遠方の裁判所が管轄となると出廷の負担が大きいため、事前に弁護士と管轄戦略を検討することが重要です。

訴状の記載内容・添付書類・印紙代の目安

離婚訴訟を提起する際には、家庭裁判所に対して訴状を提出します。訴状には、当事者の表示、請求の趣旨(離婚を求める旨、親権者の指定、養育費、慰謝料、財産分与、年金分割などの付帯処分)、請求の原因(具体的な離婚事由の主張)を記載する必要があります。特に請求の趣旨は、後に判決主文と対応するため、明確かつ具体的に記載することが求められます。

主な添付書類は、戸籍謄本、調停不成立証明書、源泉徴収票や課税証明書(養育費・財産分与の根拠)、不貞行為の証拠(写真、LINE履歴、探偵報告書など)、DVの診断書や被害届受理証明などです。

請求内容 訴訟物の価額 印紙代の目安
離婚のみ 160万円とみなす 13,000円
離婚+慰謝料請求 慰謝料額と160万円の高い方 13,000円〜
親権者の指定 加算 +1,200円
養育費の請求 子1人につき加算 +1,200円
財産分与の申立 加算 +1,200円

このほか、予納郵券(郵便切手)として6,000円前後が必要となります。金額は各家庭裁判所によって異なるため、提訴前に書記官室に確認するのが確実です。

第1回期日から判決までの平均的な期間と口頭弁論の流れ

訴状が受理されると、裁判所は概ね1〜2か月後に第1回口頭弁論期日を指定します。第1回期日では原告の訴状陳述と被告の答弁書陳述が行われ、争点が整理されます。以後はおおむね月1回〜1か月半に1回のペースで期日が開かれ、準備書面や書証の提出を重ねながら主張立証が進められます。

実務の多くは弁論準備手続に付され、ラウンドテーブル形式の部屋で争点整理が行われます。争点が固まると、双方の本人尋問や証人尋問が行われ、その後に最終準備書面を提出して弁論終結となり、通常1〜2か月後に判決言渡しとなります。

全体として、離婚訴訟の審理期間は平均して1年〜1年半が目安とされていますが、財産分与の対象財産が多い、親権をめぐって激しく対立している、不貞行為の立証に時間を要するなどの事情がある場合は2年を超えることもあります。逆に、争点が少なく早期に和解できるケースでは半年程度で終わることもあります。

和解離婚・認諾離婚のタイミングとメリット

離婚訴訟は判決まで争うのが原則ですが、実際には審理の途中で和解により解決するケースが過半数を占めます。裁判所は尋問終了後など審理が煮詰まった段階で和解を勧告することが多く、双方が譲歩して和解条項に合意すれば、その場で和解離婚が成立します。和解調書は確定判決と同一の効力を持ち、養育費や財産分与について強制執行も可能です。

和解離婚のメリットは、①判決に比べて柔軟な内容(面会交流の詳細、解決金の設定など)を盛り込める、②控訴されるリスクがない、③判決よりも早期に終結できる、④当事者の納得感が高いため履行率が高い、という点にあります。

一方、被告が原告の請求をすべて争わずに受け入れる認諾離婚(人事訴訟法37条)も制度上存在しますが、親権者の指定など職権で審理すべき事項がある場合には使えないなど制約が多く、実務での利用は限定的です。

判決に納得できない場合の控訴・上告

判決言渡しの後、判決書の送達を受けた日から2週間以内に控訴状を提出することで、高等裁判所に控訴することができます。この期間を過ぎると判決は確定してしまうため、控訴を検討する場合は速やかに弁護士に相談する必要があります。控訴審ではあらたな証拠提出も可能ですが、第一審の審理を前提とした続審制のため、覆すには新たな主張立証が重要となります。

控訴審の判決にも不服がある場合は、さらに最高裁判所への上告・上告受理申立が可能ですが、上告理由は憲法違反や重大な手続違反などに限定されており、事実認定の誤りを理由に上告して覆ることは極めて稀です。控訴審判決で確定するケースがほとんどといえます。また、判決確定後10日以内に、訴えを提起した側(原告)は本籍地または住所地の市区町村役場へ離婚届(報告的届出)を提出する義務があります。

よくある質問

Q1. 離婚訴訟中に別居している場合、生活費(婚姻費用)はもらえますか?

はい、婚姻関係が継続している間は、収入の多い側が少ない側に婚姻費用を支払う義務があります。訴訟とは別に家庭裁判所へ婚姻費用分担調停・審判を申し立てることで、算定表に基づいた金額が決定されます。訴訟が長期化すると生活が苦しくなるため、訴訟提起と同時に婚姻費用の申立てを行うのが実務上一般的です。

Q2. 有責配偶者からの離婚請求は認められますか?

原則として、不貞行為などを行った有責配偶者からの離婚請求は信義則上認められません。ただし、最高裁判例により、①別居期間が相当長期(おおむね10年前後以上)、②未成熟の子がいない、③相手方が精神的・経済的に極めて過酷な状況に置かれない、という3要件を満たす場合には例外的に認められる余地があります。したがって、自らに非があるケースで離婚を望む場合は、安易な訴訟提起ではなく、条件面での譲歩を含めた協議・調停での解決を優先すべきです。

執筆

離婚ポータル事務局

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