配偶者の暗号資産(仮想通貨)口座を発見|隠し財産の調査方法【2026年版】
[掲載日]2026/07/21 3 -
「離婚を切り出したら、夫の銀行口座にはほとんど残高がなかった。けれど生活水準は明らかに高い」——こうしたとき、隠し財産が暗号資産(仮想通貨)に変わっているケースが2026年に入って急増しています。現金や預金と違い、暗号資産は通帳に載らず、配偶者名義の取引所アカウントやウォレットアプリの中に眠っています。本記事では、配偶者が隠した暗号資産を財産分与で見つけ出す具体的な調査方法を、2026年版として解説します。
なぜ暗号資産は「隠し財産」になりやすいのか
暗号資産が財産隠しに使われやすいのには、明確な理由があります。預金と違って金融機関の口座照会に乗りにくく、保有実態が外から見えにくいためです。
通帳・残高証明に表れない
銀行預金であれば、弁護士会照会や調査嘱託で残高を把握できます。しかし暗号資産は、取引所の口座やスマホのウォレットアプリの中にあり、紙の通帳には一切残りません。配偶者が黙っていれば、その存在自体に気づかないまま離婚協議が進むこともあります。
価格変動で「増えた分」を隠せる
結婚後の給与から少額ずつ買い増し、価格上昇で大きく膨らんだケースでは、元手が小さいぶん発覚しにくい傾向があります。「数万円の遊び」と説明しつつ、実際には数百万円規模に育っていることも珍しくありません。
「自分だけの資産」という誤解
配偶者本人が「自分が稼いだ・自分が運用した資産だから分与の対象外」と思い込んでいる場合も多くあります。後述の通り、これは法的には誤りです。
方法1:取引所アカウントの痕跡を探す
国内外の暗号資産取引所には、本人確認を伴うアカウントが紐づきます。まず狙うのは、この取引所アカウントの存在を示す痕跡です。
メール・SMSの通知履歴
取引所はログイン通知、入出金完了、本人確認完了などのメールを自動送信します。共有のパソコンや、家族で使うタブレットに配偶者のメールが残っていれば、取引所名でのメール受信履歴が手がかりになります。
スマホのアプリアイコンと通知
ホーム画面に見慣れない金融系・取引所系アプリのアイコンがないか。ロック画面に出る取引完了のプッシュ通知も重要な痕跡です。アプリ名を控えておくだけで、後の照会先が絞れます。
ブックマーク・閲覧履歴
共有PCのブラウザに、取引所のログインページがブックマークされている、あるいは履歴に残っていることがあります。家計用に共有しているデバイスから確認できる範囲が出発点になります。
方法2:ウォレットアプリと送金履歴を確認する
取引所を経由せず、スマホ内のウォレットアプリで直接保有しているケースもあります。
ウォレットアプリの存在
暗号資産を自己管理するウォレットアプリがインストールされていれば、それ自体が保有のサインです。残高表示までは見られなくても、アプリがあるという事実が調査の足がかりになります。
銀行口座からの入金記録
取引所へ日本円を入金する際は、必ず銀行振込やクレジット決済を経由します。預金通帳や家計簿アプリに、取引所名義あての振込履歴があれば、そこから保有規模を推定できます。少額の振込が何度も繰り返されている場合は、積立的に買い増している可能性が高いです。
家計の「説明できない支出」
毎月一定額が使途不明のまま出ていく、ボーナス時期にまとまった出金がある——こうした家計の不自然さも、暗号資産購入を疑うきっかけになります。
方法3:確定申告・メールから保有を裏づける
暗号資産で一定以上の利益が出ると、確定申告が必要になります。申告関連の書類は、保有を裏づける有力な資料です。
確定申告書・年間取引報告書
自宅に保管された確定申告の控えに「雑所得」として暗号資産の利益が記載されていれば、保有と売却の事実が明確になります。取引所が発行する年間取引報告書が見つかれば、取引規模の把握につながります。
メール内の取引明細
取引所からの月次レポートや取引明細がメールで届いていることがあります。配偶者が自分のメールに残している場合、本人の同意を得て確認できれば、保有資産の全体像が見えてきます。
評価額をどう確定するか
暗号資産は価格が日々変動するため、財産分与では「いつ時点の価格で評価するか」が問題になります。
基準時の考え方
実務では、別居時または離婚時など、財産分与の基準となる時点の時価で評価するのが一般的です。対象の銘柄と数量が分かれば、その基準日の取引所価格を掛け合わせて評価額を算定します。
数量と銘柄の確定が先
評価の前提として、どの銘柄を何単位保有しているかの確定が欠かせません。取引所の残高画面、年間取引報告書、ウォレットの保有数量などを突き合わせ、保有実態を固めていきます。
弁護士会照会・調査嘱託で開示を求める
自力での確認には限界があります。配偶者が口座の存在を認めない、残高を明かさない場合は、法的な照会手続きが有効です。
弁護士会照会
弁護士に依頼すると、弁護士会を通じて取引所へ照会をかけられる場合があります。アカウントの有無や残高について、回答を得られる可能性があります。
調査嘱託・文書提出命令
離婚調停や訴訟の中では、裁判所を通じて取引所に取引履歴や残高の開示を求める調査嘱託を申し立てられます。取引所名が特定できているほど、申立ての精度が上がります。だからこそ、前段でアカウントの存在を示す痕跡を集めておくことが重要になります。
暗号資産は財産分与の対象になる
結論として、婚姻期間中に夫婦の協力のもとで形成された暗号資産は、預金や株式と同じく財産分与の対象です。名義が配偶者単独であっても、原則として分与の対象から外れません。
「自分の資産」という主張は通りにくい
「自分が運用したから自分のもの」という主張は、婚姻中に得た収入を原資にしている限り、基本的には認められにくいと考えられます。専業主婦・主夫であっても、家庭を支えた寄与は評価されます。
隠した側のリスク
財産を意図的に隠したことが後から判明すれば、配偶者の信用は大きく損なわれます。財産分与のやり直しや、協議における不利な扱いにつながることもあります。
違法ライン
調査に踏み込む際は、やってよいことと違法になることの線引きを必ず守ってください。証拠が違法に集められたものだと、かえって自分が不利になります。
- 配偶者のスマホを生体認証や暗証番号で無断で解除する
- 取引所やウォレットのパスワードを推測・無断入力してログインする
- 配偶者のPCにキーロガーやスパイウェアを仕込む
- 無断でメールアカウントに侵入し中身を盗み見る
- 盗聴・盗撮によって情報を得る
これらは不正アクセスやプライバシー侵害にあたるおそれがあります。痕跡の確認は、あくまで共有財産・共有デバイスの範囲にとどめ、踏み込んだ開示は弁護士会照会や調査嘱託といった正規の手続きに委ねるのが安全です。
探偵調査との組み合わせ
取引所名やウォレットの存在までは家庭内で把握できても、保有規模や資金の流れの全体像までは見えないことがあります。こうしたとき、探偵による財産・行動調査が補完的に役立ちます。
配偶者の生活実態、説明のつかない高額消費、別名義の動きなどを調べることで、隠された資産の存在を間接的に裏づけられます。費用感としては、対象を絞ったピンポイント調査で15〜35万円程度、対象が広く時間を要する場合はそれ以上になるのが目安です。集めた事実は、弁護士会照会や調査嘱託の申立てを後押しする材料になります。
まとめ:見えない資産こそ早めに手を打つ
暗号資産は通帳に載らないからこそ、隠し財産として使われやすい資産です。取引所のメール通知、ウォレットアプリ、銀行からの入金記録、確定申告の控えという四つの痕跡を冷静に押さえ、銘柄と数量を確定し、基準時の時価で評価する。配偶者が認めない場合は弁護士会照会や調査嘱託で開示を求める——この順序で進めれば、見えない資産も財産分与の土俵に乗せられます。離婚ポータルでは、暗号資産など隠し財産の調査に対応した探偵事務所を地域別に検索できます。
執筆
離婚ポータル事務局
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