離婚の財産分与完全ガイド|計算方法・対象財産・手続きの流れ
[掲載日]2026/03/13 1 -
財産分与とは?離婚時に財産を分ける権利
財産分与とは、婚姻中に夫婦が共同で築いた財産を、離婚の際に公平に分け合う制度です。民法768条に定められた権利であり、離婚原因となった有責配偶者(浮気をした側など)であっても請求することができます。
財産分与の請求は、離婚成立から2年以内に行う必要があります。離婚後に「財産分与を忘れた」とならないよう、離婚前にしっかりと取り決めておくことが重要です。
📌 財産分与の3つの種類
- 清算的財産分与:婚姻中に共同で築いた財産を清算する(メイン)
- 扶養的財産分与:離婚後の生活支援のための分与
- 慰謝料的財産分与:精神的損害を補填するための分与
財産分与の対象になる財産・ならない財産
財産分与の対象となるのは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた「共有財産」です。一方で、個人が婚姻前から持っていた財産や相続・贈与で得た財産は「特有財産」として対象外となります。
| ✅ 対象になる財産(共有財産) | ❌ 対象外の財産(特有財産) |
|---|---|
| 婚姻中に購入した不動産 | 婚姻前から所有していた不動産 |
| 婚姻中に貯めた預貯金 | 親から相続・贈与された財産 |
| 婚姻中に購入した車・家具・家電 | 婚姻前からの預貯金 |
| 婚姻中に掛けた生命保険の解約返戻金 | 個人的な慰謝料・損害賠償金 |
| 厚生年金・企業年金(年金分割) | 婚姻前の退職金 |
財産分与の割合と計算方法
原則として、財産分与の割合は夫婦それぞれ2分の1(50:50)です。専業主婦(夫)であっても、家事・育児による貢献が認められるため、基本的に2分の1ずつ分けることが一般的です。
💰 財産分与の計算例
【婚姻中の財産の合計】
- 自宅(時価):3,000万円 残ローン:1,500万円 → 実質価値 1,500万円
- 預貯金(夫):500万円
- 預貯金(妻):200万円
- 生命保険解約返戻金:300万円
共有財産の合計:2,500万円
→ それぞれの取り分:1,250万円ずつ
不動産の財産分与|家をどうするか
不動産(家・マンション)は財産分与でとくにトラブルになりやすい項目です。主な対処方法は以下の3つです。
① 売却して現金で分ける
不動産を売却し、売却代金からローン残債を引いた金額を2人で分割する。もっともシンプルな方法。
② 一方が住み続ける
どちらかが住み続け、相手に対して不動産の評価額の半分を現金で支払う(代償分割)。
③ 共有名義のまま維持
子どもが独立するまでなど一定期間は共有名義を維持する方法。後のトラブルになりやすいため注意が必要。
年金分割とは?忘れずに手続きを
年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を夫婦間で分割する制度です。財産分与とは別の手続きになりますが、離婚時に忘れずに行いましょう。
⚠️ 年金分割の注意点
- 手続き期限は離婚後2年以内
- 合意分割(話し合い)または3号分割(専業主婦・夫の場合)の2種類がある
- 分割されるのは厚生年金のみ(国民年金・個人年金は対象外)
- 年金事務所で手続きを行う
財産分与の手続きの流れ
財産の洗い出し・資料収集
預金通帳・固定資産評価証明書・保険証券・給与明細など証拠となる書類を集める
夫婦間で協議(話し合い)
合意できた内容は公正証書にまとめておくと後のトラブル防止になる
話し合いがまとまらない場合:調停・審判
家庭裁判所に財産分与調停を申し立てる。調停不成立の場合は審判へ移行
財産の移転・名義変更手続き
不動産は法務局で名義変更(所有権移転登記)、預金は銀行で手続きを行う
財産隠しをされたら?
配偶者が財産を隠している疑いがある場合、以下の方法で調査が可能です。財産分与は正確な財産把握が前提となるため、専門家への相談をおすすめします。
- 弁護士会照会(弁護士を通じて金融機関等に照会する制度)
- 調停・審判での調査嘱託(裁判所が金融機関へ調査を依頼)
- 財産開示手続き(強制執行認諾文言付き公正証書がある場合)
- 探偵・調査会社への依頼

