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株・投資信託・仮想通貨と財産分与|離婚時の評価方法と注意点

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[更新日]2026/04/18 36 -

投資ブームにより、株式・投資信託・仮想通貨を保有する夫婦が増えています。これらの金融資産は離婚時の財産分与の対象になりますが、評価方法や手続きに注意が必要です。この記事では各金融資産の財産分与における扱いと、評価額の決め方を解説します。

株式・投資信託の財産分与

株式・投資信託は婚姻期間中に購入・積み立てたものが財産分与の対象です。評価額は離婚合意時点の時価で計算するのが一般的です(価格変動があるため、合意日を明確にしておくことが重要)。

証券口座の残高証明書を取得して財産を開示します。相手が証券口座の存在を隠している場合は、「弁護士会照会」や調停での「調査嘱託」で金融機関に問い合わせることができます。

仮想通貨(暗号資産)の財産分与

ビットコイン・イーサリアムなどの仮想通貨も財産分与の対象です。ただし価格変動が激しいため、評価のタイミングが問題になります。一般的には合意または調停成立時点の時価で評価します。

国内取引所の口座は開示を求められますが、ウォレットアドレスや海外取引所は開示を逃れやすいという問題もあります。仮想通貨が絡む財産分与は複雑なため、専門の弁護士への相談をおすすめします。

婚姻前から保有していた資産の扱い

婚姻前から保有していた株式や仮想通貨は原則として「特有財産」として財産分与の対象外です。ただし、婚姻後に配偶者の収入で追加購入した部分は共有財産とみなされる場合があります。

婚姻前後の取引履歴を保管しておくことで、特有財産と共有財産の区別ができます。証拠がない場合は全て共有財産と認定されるリスクがあります。

財産分与の進め方:実際に分ける方法

金融資産の財産分与の方法:①現金化して分割②一方が保有して相当額を現金で支払う③証券会社で持分を移管する。移管の場合は証券会社に事前に問い合わせが必要です(口座間移管に対応していない場合あり)。

税金にも注意が必要です。財産分与で受け取った株式・仮想通貨は受け取り時点での課税はありませんが、その後売却した際には譲渡所得として課税されます。

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株式・投資信託の評価方法(基準日・取得日・含み益/損の扱い)

株式や投資信託は価格が日々変動するため、財産分与においてはいつの時点の評価額を基準とするかが極めて重要です。民法768条に基づく財産分与では、原則として別居時(別居していない場合は離婚時)を基準日として資産を評価します。ただし、調停や審判が長引く場合には、最終的な分与時点の時価を採用するケースもあり、実務では当事者間の合意や裁判所の判断によって柔軟に運用されています。

評価方法は資産の種類によって異なります。上場株式であれば証券会社の残高報告書や取引履歴をもとに基準日の終値で算定し、投資信託は基準価額に口数を乗じて評価します。非上場株式の場合は、純資産価額方式や類似業種比準方式など複数の評価手法が用いられ、専門家による鑑定が必要となることも少なくありません。

取得日と特有財産の区別

結婚前に取得した株式や、相続・贈与で得た投資資産は特有財産として財産分与の対象外となるのが原則です。ただし、婚姻期間中に配当金を再投資したり、特有財産と共有財産が混在して運用されたりしている場合には、区別が困難になります。取得日や取得原資を証明するため、証券口座の過去の取引報告書や入金履歴を早めに確保しておくことが大切です。

含み益・含み損の扱い

基準日時点での評価額がプラスであれば含み益も分与対象に含まれますし、逆に含み損がある場合には時価(マイナス評価)で分与額を算定します。現物を売却せずに一方が取得する場合、将来売却した際に課税される譲渡所得税の負担を考慮して、評価額を若干割り引く「潜在的税負担の控除」を主張することもあります。

仮想通貨(暗号資産)の財産分与における特殊な扱い

ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産も、婚姻期間中に取得したものであれば財産分与の対象となります。ただし、仮想通貨は価格変動が極端に大きく、また匿名性が高いためいくつかの特殊な問題が生じます。

第一に、評価基準日の設定です。暗号資産は24時間取引されており、1日で数十パーセント価格が動くこともあります。そのため、基準日の特定の時刻や取引所のレートをあらかじめ合意しておかないと、後日争いになりかねません。国内取引所(bitFlyer、Coincheck、bitbank等)であれば残高証明書の発行が可能ですが、海外取引所やDeFi、自己管理のハードウェアウォレットに保有されている場合は把握自体が困難です。

第二に、税務上の取り扱いです。仮想通貨の売却益は雑所得として総合課税され、最大55%の税率が適用されます。財産分与として現物を移転する場合でも、分与者側で譲渡所得(雑所得)として課税される可能性があり、株式とは異なる注意が必要です。

資産種類 基準日の評価方法 分与時の税務上の論点
上場株式 基準日終値×保有株数 譲渡時に譲渡所得税(申告分離20.315%)
投資信託 基準価額×口数 解約時に譲渡所得または配当所得
暗号資産 取引所レート(時刻指定) 雑所得として総合課税(最大55%)
NISA 基準日時価 移管不可・売却時は非課税
iDeCo 基準日時価(受給前) 原則60歳まで引き出し不可

NISA・iDeCo口座の財産分与での取り扱い

NISAやiDeCoといった税制優遇口座も、婚姻期間中に拠出・運用された部分については財産分与の対象になります。ただし、これらの口座には名義人以外への移管ができないという制度上の制約があるため、実務上の処理には工夫が必要です。

NISA口座の場合

NISA口座の資産は、配偶者名義の口座へ直接移管することができません。そのため、名義人が保有を継続し、評価額相当分を他の財産(預貯金等)で代償する方法が一般的です。売却して現金化する選択肢もありますが、その場合は非課税メリットを失うことになります。

iDeCoの場合

iDeCoは原則60歳まで引き出しができないため、基準日時点の評価額を算定した上で、他の財産で調整する方法が取られます。将来受給する際の課税(退職所得控除・公的年金等控除)も考慮して評価すべきだとする見解もあり、税引後の実質的な受取額をベースに協議することが公平性の観点から望ましいでしょう。

配偶者が投資資産を隠している疑いがある場合の対処法

離婚協議の直前に配偶者が証券口座や暗号資産を意図的に開示しないケースは少なくありません。投資資産は預貯金以上に隠匿されやすいため、早期の情報収集が鍵となります。

  • 確定申告書の控えを確認する(特定口座年間取引報告書、配当所得の記載から口座の存在が判明することがある)
  • 自宅に届く証券会社や取引所からの郵便物・メール通知をチェックする
  • 銀行口座の入出金履歴から証券会社や暗号資産取引所への送金記録を探す
  • 弁護士を通じて弁護士会照会(23条照会)を活用し、金融機関に残高を確認する
  • 裁判所を通じた調査嘱託文書提出命令の申立てを検討する

特に暗号資産は自己管理ウォレットに移されると追跡が非常に困難になります。離婚を切り出す前から証拠を保全しておくこと、疑わしい場合は早めに弁護士へ相談することが重要です。

財産分与で受け取る場合の税金(譲渡所得・贈与税)の注意点

財産分与は原則として贈与税の対象外です。これは、財産分与が夫婦の共有財産の清算や離婚後の扶養を目的とした給付であり、無償の贈与ではないと考えられているためです。ただし、分与額が婚姻期間や社会的地位から見て明らかに過大である場合や、贈与税や相続税の課税逃れを目的とした離婚と認められる場合には、過大部分について贈与税が課されることがあります。

一方、分与する側にとっては譲渡所得税の論点があります。株式や投資信託、不動産などを現物で分与した場合、分与者側に時価で譲渡があったものとみなされ、取得価額との差額に対して譲渡所得税が課税されます。受け取る側は、その時価を新たな取得価額として引き継ぐため、将来売却時にもう一度課税される二重課税のような構造になる点に注意が必要です。

NISA資産の売却時は非課税枠内であれば課税されませんが、暗号資産の分与については前述のとおり雑所得として高率の課税対象となる可能性があります。具体的な税額の試算や申告方法については、必ず税理士に相談し、離婚前にシミュレーションしておくことをおすすめします。

よくある質問

Q1. 別居後に株価が急騰した場合、増えた分も分与対象になりますか?

原則として別居時点の評価額が基準となるため、別居後の値上がり分は分与対象に含まれないのが一般的です。逆に別居後に値下がりした場合も基準日の評価額で算定されます。ただし、具体的な分与協議の時期や売却時点との差額をどう扱うかは、当事者の合意や裁判所の判断によって調整されることがあります。

Q2. 配偶者名義の暗号資産を財産分与で受け取る場合、どのような手続きが必要ですか?

名義人から自分の取引所口座やウォレットへ送付(送金)してもらう形になります。その際、送付手数料や送金時のレート変動リスクを誰が負担するかを協議書に明記しておくとトラブルを防げます。また、受け取った暗号資産を後日売却する際の取得価額の取り扱いについては税務上の論点があるため、税理士への確認を強くおすすめします。

執筆

離婚ポータル事務局

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