連帯保証人から外れる方法|離婚時の借金・債務問題を解決する
[更新日]2026/04/18 38 -
離婚後も元配偶者の連帯保証人になったまま放置すると、突然多額の請求が来るリスクがあります。「連帯保証人から外れたい」という相談は離婚に際してよく聞かれます。この記事では連帯保証人の解除方法と、離婚時の借金問題の解決策を解説します。
連帯保証人から外れる方法
連帯保証人を外れるには債権者(金融機関など)の同意が必要です。一般的な方法:①別の保証人を立てる:代わりの連帯保証人を確保して交代する②ローンを完済する:残債を一括返済して保証を消滅させる③借り換え・債務引き受け:新たな借入で旧債務を消し、新しいローンに連帯保証人を含めない。
債権者が拒否した場合は外れることができません。これが連帯保証人問題の最大の難しさです。
離婚協議書に保証人解除を明記する重要性
離婚協議書には必ず「○○の連帯保証債務については、離婚後に乙(相手)が速やかに解除の手続きを行う」という条項を入れましょう。ただし、この条項自体は債権者には拘束力がなく、債権者が解除に応じない場合は効力が薄いです。
少なくとも、相手が解除手続きを怠った場合に損害賠償請求できる根拠になります。公正証書にしておくとより強力です。
離婚時の借金(マイナスの財産)の分け方
借金などの「マイナスの財産」の扱い:婚姻中の生活費・教育費のための借金は夫婦で折半するのが原則。一方のギャンブル・浪費による借金は原則としてその人のみが負担します。
ただし、対外的には借入名義人(契約者)が返済義務を負います。夫婦間の協議書で分担を決めても、金融機関への拘束力はありません。内部的な求償権(後から請求する権利)を確保するために公正証書を作成することが重要です。
自己破産と離婚の関係
離婚前後に配偶者が自己破産する場合、保証人になっているとその債務が自分に降りかかります。相手が破産する兆候がある場合(督促状が届いている・消費者金融から複数借入など)は早急に弁護士に相談してください。
自己破産しても養育費・慰謝料の支払義務は免責されません(非免責債権)。離婚に伴う財産分与・慰謝料の請求権も同様です。
連帯保証人と連帯債務者の違い
住宅ローンに関する離婚問題を理解するうえで、「連帯保証人」と「連帯債務者」の違いを正確に把握することが重要です。この2つは似ているようで、法的な性質が大きく異なります。
| 項目 | 連帯保証人 | 連帯債務者 |
|---|---|---|
| 法的な立場 | 主債務者が返済不能になった場合に代わりに返済する義務を負う | 主債務者と同等の債務を負う(債権者はどちらにでも全額請求可) |
| 催告の抗弁権 | なし(連帯保証は通常の保証と異なり主債務者への請求を求める権利がない) | なし |
| 住宅ローン控除 | 適用なし | それぞれの負担割合に応じて適用可 |
| ペアローンとの関係 | ペアローンでは互いに連帯保証人となるケースが多い | フラット35等での収入合算時に設定されることが多い |
| 離婚後のリスク | 元配偶者の返済が滞ると自分に請求が来る | 自分が主債務者と同等の責任を負い続ける |
どちらの立場であっても、離婚後に元配偶者が住宅ローンを滞納すれば、自分に返済請求が来るリスクがあります。離婚協議の段階で必ず現状を確認し、可能な限り解消する方向で手続きを進めることが重要です。
連帯保証人から外れる4つの方法
金融機関は原則として連帯保証人の変更・解除に応じません。しかし、以下の4つの方法のいずれかを検討することで、連帯保証人の地位から外れることができる場合があります。
方法1:住宅ローンの借り換え
現在のローンを完済し、新たに別の金融機関でローンを組み直す方法です。借り換え後のローンは主債務者(元配偶者または自分)単独での契約となるため、連帯保証人の地位が消滅します。ただし、借り換えには審査があり、主債務者の単独収入で審査基準を満たせない場合は承認されません。また、諸費用(事務手数料・登記費用等)が発生します。
方法2:保証会社への変更
金融機関と交渉し、個人の連帯保証人に代えて保証会社(信用保証協会等)を保証人として設定する方法です。主債務者の信用力が十分であると金融機関が判断した場合に限り認められます。金融機関がこの変更に応じるかどうかは個別の判断によるため、まず担当者に相談することが出発点となります。
方法3:任意売却
不動産を売却してローンを完済する方法です。売却価格がローン残高を上回る場合(アンダーローン)はそのまま売却できます。売却価格がローン残高を下回る場合(オーバーローン)でも、金融機関の同意を得て売却する「任意売却」という手続きがあります。任意売却後も残債が残る場合は別途返済が必要ですが、連帯保証人としての義務は消滅します。
方法4:金融機関との直接交渉
金融機関に対して連帯保証人の解除・変更を直接申し出る方法です。代わりとなる連帯保証人を立てる、または追加担保を提供するなどの条件を提示することで交渉の余地が生まれることがあります。主債務者の返済実績が良好な場合や、不動産の担保価値が十分な場合は交渉が成立するケースもあります。
各方法のメリット・デメリット比較
| 方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 借り換え | 確実に連帯保証人から外れられる・金利改善の可能性 | 審査通過が必要・諸費用がかかる・単独収入が審査基準を満たす必要 |
| 保証会社への変更 | 不動産を手放さずに解決できる | 金融機関の承認が必要・保証料の負担が発生 |
| 任意売却 | オーバーローンでも売却可能・保証義務が消滅 | 不動産を失う・残債が残る場合がある・信用情報への影響 |
| 金融機関との交渉 | 費用が比較的少ない | 承認される可能性が低い・交渉に時間と労力がかかる |
連帯保証人のまま放置した場合のリスク
離婚後に連帯保証人の問題を解決せずに放置した場合、深刻な経済的リスクを負うことになります。主なリスクは以下のとおりです。
- 突然の返済請求:元配偶者がローンを滞納した場合、金融機関は連帯保証人に対して直ちに全額の返済を請求できます。猶予期間なく請求が来ることもあります。
- 信用情報への記録:保証債務を履行できない場合や返済が遅延した場合、自分の信用情報に傷がつき、将来の住宅ローン・カードローン・クレジットカード等の審査に影響します。
- 給与・財産の差し押さえ:返済を拒否・無視した場合、金融機関は裁判所を通じて自分の給与・預貯金・財産の差し押さえを行う可能性があります。
- 時効の援用が難しい:住宅ローンは残高が残っている限り時効完成が起算されないため、長期にわたってリスクが続きます。
- 再婚・新生活への影響:連帯保証人としての債務が残っていると、再婚相手や新たな生活設計に支障をきたすことがあります。
よくある質問
Q. 離婚後に元配偶者が支払い不能(自己破産)になった場合、どうなりますか?
元配偶者が自己破産した場合、住宅ローンの債務は免責(免除)されますが、連帯保証人の保証債務は免責されません。つまり、元配偶者が破産しても連帯保証人としての返済義務は消滅せず、金融機関から連帯保証人であるあなたに対して残債全額の返済請求が来ます。元配偶者の破産手続きが開始されると、金融機関はほぼ確実に連帯保証人への請求を始めます。自己破産の兆候(督促状の存在・収入減少など)が見られる場合は、早急に弁護士に相談のうえ、任意売却や借り換えなどの対策を検討してください。
Q. 離婚の際に「元配偶者が住宅ローンを全額支払う」と公正証書で決めましたが、効果はありますか?
離婚の公正証書に「住宅ローンは主債務者(元配偶者)が責任をもって返済する」と定めることは有効であり、元配偶者が約束を守らない場合の強制執行や慰謝料請求の根拠になります。しかし、この取り決めはあくまで当事者間の合意であり、金融機関(債権者)との関係には一切影響しません。金融機関は連帯保証契約に基づき、元配偶者の滞納時にあなたへ請求する権利を引き続き持ちます。公正証書は事後的な求償請求の根拠にはなりますが、連帯保証人から外れるためには金融機関との手続きが必要です。問題の根本的解決には、公正証書の作成と並行して、前述の4つの方法のいずれかを実行することが不可欠です。
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執筆
離婚ポータル事務局
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